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2005/08/14

忘れ得ぬ人々 3

初めての海外旅行は丁度、今頃のペルーだった。マチュピチュとナスカを見て、僕は有頂天、天上天下唯我独尊状態だった。

旅の最後に、チチカカ湖を訪れた。浮島のウロス島では、最大級のトトラ(蘆船。ミニチュアでも長老の作った1メートルのもの)を買い、喜び勇んでいた。

夕暮、チチカカ湖畔を散策すると、青藻の生臭い臭いのする岸辺に、小さな本当に小さなアドベ(日干し煉瓦)造りの小屋がある。僕等が近づくと、子供の豚が一杯、走って出てきた。

僕は豚小屋だと思った。しかし、その後から、民族衣装に身を包んだ、少女が現れた。

「名前は?」

「パッシーサ」

「幾つ?」

「11歳」

あんなに美しい笑顔の少女に逢ったことは、金輪際、もう永遠に、ない。どうしても写真が撮りたかった。

失礼と思いながら、持っているのはガムしかなかった。それを、彼女にあげた。

暫く、少女は去ってゆく僕等を笑顔で送りながら、小屋に入った。

すると、小屋の小さな小さな窓が開いた。

お父さんらしき人が、

「セニョール! グラシアス!」

と声を限りに叫んだ。

僕は、何だかひどく哀しかったのだ。

パッシーサ、あなたは今、どうしていますか?

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