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2006/05/10

原民喜の戦後

教え子が広島を訪ねるという。原民喜の詩碑は是非、訪れてもらいたい。彼については、彼の花幻忌の日に書いた。追伸する。

「もし妻と死別したら、1年間だけ生き残ろう。悲しく美しい1冊の詩集を書き残すために」

原民喜は、妻貞恵の一年目の忌日を前にして、被爆した。

その地獄絵の後に生き残ったことは、果たして彼にとって幸せだったのか。

我々は彼の被爆後の文学を称揚する。

確かに、後のUとの出逢いは、彼の晩年の、「彼自身」にとって、「生の実感」を幽かに感じさせるものであったのであろう。

しかし、彼にとって、「彼自身」にとって、「戦後」という時間は、果たして幸せであっただろうか。

彼は「悲しく美しい詩集」を残した――残した? それは確かに、文学史に残る「悲しく美しい詩集」である。

でも、それは僕たちの、我儘な物言いと言えないだろうか? それは、「あの時」、彼が、「彼自身」が思った「悲しく美しい詩集」、ではない。

民喜の写真。その淋しげで、それでいて透徹した視線――それは、僕等の、今現在の僕等を、この爛れきった虚妄を誤魔化そうとしている僕等を、射抜く。

  碑銘   原民喜

遠き日の石に刻み

    砂に影おち

崩れ墜つ 天地のまなか

一輪の花の幻

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