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2008/04/27

寺島良安 和漢三才圖會 卷第四十五 龍蛇部 龍類 蛇類 鼉龍

寺島良安「和漢三才圖會 卷第四十五 龍蛇部 龍類 蛇類」に「鼉龍」を追加した。

今回の注には李賀の「將進酒」の原文・書き下し・やぶちゃん訳を入れた。

僕が30歳の頃、酒場で知り合った年上のカリスマ美容師が、金に任せて産地から直輸入の素材のみで作る和風高級割烹を大船にオープンさせた。そのカウンターの背後、往来からショーウィンドウを通して見える位置に、何か有名な書家に書かせたい、ひいては僕に漢詩を選んでくれと言われた。僕は、迷わずこれを挙げた。頼まれた書家はこの「鼉」の字が嫌いで、相当に困ったらしい。この詩も、破格で好きじゃないなんて言ってたと彼から聞いた。それでも内心、僕に言わせれば『なんとまあ安飲み屋が似合う大船に場違いな事大主義的な意味での筆の「勢いのある」』書が出来、オープンでは成金・グルメ・通人・セレブに混じって末席を汚してタダ酒を振舞われた。10年も続いたか、その美容師もあらゆるチェーン店を畳まざるを得なくなって、遠い田舎へ帰って、その割烹も人手に渡り、知らないうちに店じまいしていた。あの頃の人々は皆、今やバブル崩壊散り散りばらばら、“Good old days!”――それにしても、あの「將進酒」は何処へ行ってしまったのか? 少しだけ、惜しい気がしてる。せめて障子紙の代わりに桟にべったりと張り込んで、それを見ながらしんしんと雪の降る夜に一杯やりながら、雪見に「鼉鼓」の部分をべりっと破いて覗くぐらいのことを、してみたかったものだ。――いやいや、実は僕は教え子の女流書家に李賀の「南山田中行」を注文してあるのだった。僕はその子の書いてくれる「李賀」しか、信じないんだ。その、楽しみだけが、僕にはまだ残されていた。――

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