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2010/11/17

大腸ポリープのプロタゴラス 又は 又しても辛くも生き延びた僕

盟友M.S.君よ、20代の頃、君はしばしば死を口にする僕に「瀕死のソフィスト」という美事な渾名をつけてくれたが、もう一つ、「大腸ポリープのプロタゴラス」という、言い得て妙の破裂音で韻を踏む味な僕のニックネームも与えてくれたのを覚えているかい?

僕らは、その時、別に大腸ポリープの話をしていた訳じゃあなかった。ところが、突然、君が口にしたこの名を、僕は有り難く拝名したものだったね。その時は、ただの面白いゴロだとばかり思っていたのだが――。

歩こう、預言者――。

1ヶ月前から下腹部に膨満感があり、断続的に激しく腹が鳴る上に、軟便と下痢が繰り返し起こった。僕はIBS(過敏性大腸症候群)の症状に似ていると思ったが、先々週受診した医師には最後に、父母の親族には癌とポリープを罹患していない者の方が少ないこと、僕の父母がいとこ同士であるからリスクは高いことを告げると、医師は内視鏡による検査を勧めた。

今日、初めて肛門からの内視鏡による精密検査を受けた。上からの胃カメラは嚥下反応が激しい僕には苦手だったが、これはずっと楽だ(前日から検査日の朝のプレ処置は地獄だったがね)。――お尻の穴からゼリーで突っ込まれるのは――こりゃ、とびきり意外に嫌じやないもんだ。

例によって主治医に頼んでライブ画像をすべて見せて貰いながら、自分の大腸の粗方を実見した。

上行結腸にはかなり多くの憩室(ポケット状の粘膜のへこみ)が見られた。そこにうんちが溜まって残っているのがくすんだピンクの粘膜と多数の襞の中に点々と楕円形にあるのは、「2001年宇宙の旅」のディスカバリー号から木星の表面を見ているボーマンのようなオツな気分になったもんだ。――この憩室について医師は――「結構、ありますね」「しかし多い人はもっとあります」「憩室炎を起こしていなければ問題ありません」――

あった。あった。医師より先に気がついた(と思う。大腸ポリープのプロタゴラス」としてはね、自信はあるよ)。上行結腸のやや下方に小さな茸が――ほら、また、あった――今度は横行結腸への転回部のところ――勿論、医師は鉗子を挿入して検体を挟み取っていく(これは父の胃潰瘍の時に実見済み)――しかし、どれもそれほど大きくないな――

横行結腸に入ると憩室が全く見られず、これはユムシを裏返したように、綺麗なもんだった――しかし、下行結腸の回転部にまた茸があった――

下行結腸には上行結腸ほどではないが、やはり憩室が幾つか見える――最後のS字結腸部分は体位を変えたので画面が見れなくなったのは残念だった。ケツの穴から抜け出る瞬間まで――自分の尻の穴ぐらい、一生に一度は見ておきたかったんだがなあ――

結局、S字結腸の入り口近くにもう一つ茸が生えていたらしい。全部でポリープは4つ。大きさは直径4㎜が3つ、3㎜が1つ。

医師曰く、ポリープは腺腫で癌ではない。但し、5㎜以上のものは、成長して癌化する可能性があるので切除する方がよい。どれもぎりぎりであるが、(勿論、本人の判断で気持ちが悪いから取るという方もいる)手術の必要性は必ずしもない――憩室は憩室炎を起こしているものはないので問題はない――そもそもこのポリープと憩室からは、絶対に慢性的膨満や下痢の症状は起こり得ない――あなたの言った通り、IBSと思われます――とのことであった。

男性にしか効かない(女性のはかばかしい治験結果が得られないそうだ)という腸の運動亢進を掌るセロトニン(5‐HT3)受容体拮抗薬を処方された。

――というわけで――僕はまた、命拾いしたよ、M.S.君――

追伸:内視鏡の前日のレトルトの食事セット(こんなに少ないのなら何にも食うなと言われ方がマジ楽だった)、名前が「ボンコロン」だ。これはきっと、うんこが「ボン! コロン!」と出る食事だからだな。――だってさ、当日朝の腸内洗浄液(これ2リットルを2時間かけてすきっ腹に飲む――出す――飲む――出す――の繰り返しが大変だった)の名前は、何と「ムーベン」なんだぜ! これって「無便」! そのまんまじゃねえか! いやはや、ラテン語か何かで、もっとお洒落にネーミング出来ないもんかなあ、M.S.君、君の爪の垢でも飲ませたいね。これじゃ、「是で治る」で「ゼノール」の方が、ずうっとマシだぜ!

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