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2011/06/04

父さん 今日 俺が「あいつ」に父さんの仇を討つぜ

「新編鎌倉志巻之二」の報国寺まで校訂を完了した。

報国寺で――僕は俄然、思い出し、怒りが沸騰したのだ!――

――報国寺の昔の住職に、「死んでもともと」とか、結構、売れた禅「モドキ」本を書いた男がいる。

菅原義道という。

僕も生前に逢ったことがある。

人当たりのいい、好々爺だった(と父も言ってはいた)。

その時、彼は、あの世も仏もない、とうそぶいたのを忘れない(それも確かに禅の世界では真である)。

しかし、「竹の寺」と称して金儲けに邁進し、その時(確か七十年代末だ)、竹もどきの自動入場整理機械(バーが回転するあれだよ)をいち早く設置していた――愚劣なあの機械、さても今もあるんだろうか――

しかし――僕が言いたいのは、そんなことじゃ、ない――

父は鎌倉学園だった。

戦前、漢文の教師はこの菅原義道だったのだ。

彼は墨染めの衣で教壇に立ち、何と言ったか?

――「死ぬことは生きることと見つけたり」――

「葉隠」を豪語して、いたいけな若者達に天皇の赤子として死ぬことを、確かに! 『教えた』のだ!

彼の授業では、生徒は皆、机の上に正座させられたのだ。

そうして、戦争が終わった……

特攻を志願した少年航空兵として、この男の言う通り、「死ぬことは生きることと見つけたり」を実践し乍ら、辛くも生き残ってしまった父は、まず、復員した鎌倉駅で、ばったり出逢ってしまったのだ――

奴は困った顔をして黙ったままだった。

父は学園に戻った。勤労動員や出兵で、父が受けた僅かな最後の授業――

その国語の授業は――何と、やっぱり菅原義道だった――

教室に来た彼は――

墨染めの衣じゃあない、三つ揃えのスーツを着ていた。そうして――

そうして――奴の第一声は、

「皆さん! 民主主義は――いいもんですよ!」

――これが――「禅者」を気取った、菅原義道なる男の正体である――

――彼は後に防衛大学校か何か、自衛隊の講師になったそうだ。父はそれも許せないという――

当然だ――

国粋主義の「葉隠」の精神からも――民主主義の精神からも――

――禅というものは――

――それを併呑しても――

――かく金の亡者となるような忌わしく汚く衣替えをする奴を――

――決して許しはしないからだ!――

僕は事実を述べている。

名誉毀損で訴えるなら、永劫、闘おうじゃないか。

僕はこのちっぽけな愚劣な好々爺然とした(然だ! 禅じゃねえぞ!)菅原義道という男を糾弾したいのでは、毛頭、ない。こんな奴は刺し違える価値もねえんだ! それよか――

――人の人生を――

――教育ならぬ狂育が――

――それは今も生きているゾ!――

――如何に鮮やかに――

――致命的な誤りに――

――死に導くかを――

叫びたいのだ!

父さん、やっと僕の仇討ちは――終わったよ――

ほら――これが奴の首、だよ……

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