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2011/06/18

右腕と母の病いと業と

――6年前に右腕首を粉砕した時、ある人は励ましの思いを以って、僕にこう言った。

「腕がなくなったんじゃないから、いいじゃない。」

――3月19日に母を亡くした僕に、ある人は慰めてこう言った。

「震災で亡くなった人を考えれば、お母さんは幸せだった。」

――どこの誰が! 僕の利き腕が使えなくなることを、なくなるよりマシだなど言えるのだろう! 因みに、そう言った人物は両腕ともある健常者だ。

――勿論、腕を失った人物からそう言われたなら、僕はこんなことは書かない――が――だからと言って納得など――僕は――しない――右腕のない人の前で、僕は「だからと言って」僕自身を納得など――しなかった――

――どこの誰が! 震災では死なずに、病気で看護されて病院で亡くなった人間は幸せだと言えるのか! 因みに、かく言った人物は、親族を震災で亡くした人間ではない。

――勿論、震災で親族を奪われた方に、そう言われたなら、僕はこんなことは書かない――黙っていよう――しかし、黙ってはいるが――その謂いの通りに、僕は思わないとはっきり言おう――震災で死ぬのも、病で死ぬのも何らの変わりはない――救うことが全く出来ない点に於いて、母の病気は、天災のようにあっという間に母を襲ったのだ――それが指弾の間であったか刹那だったかなどという比較的な謂いは――忌わしいまでに愚劣である――医療施設で誰にも看取られず、節電計画の暗い部屋の中で、早朝の5時、たった独りで死を迎えた母を、僕は震災で亡くなった人よりも幸せだったなどと、決して言えない――

愛する人の死とは、それぞれの心の中で他と比喩不能比較不能の絶対的な不幸なのだ――

それを現象としての他者の死と等価変換しようとすること、批評することは、立つ地平の土台、座標軸、次元そのものが全く違うのだということを知るべきではないのか――

アドルノの「アウシュビッツの後に詩を書くのは野蛮だ」という、かねてよりどこかで言い過ぎだと思っていたのを、僕は今、修正せねばならない。――それを確かに真実であると、はっきり言おう――

いや、もっと卑近に言おうなら、「牛や豚や鯨や海豹を食って乍ら、お前らは、同じ同類の生物の、それも親族の死に限って哀しむのは如何にも愚劣だ」と言うなら、お前らは――既にして他者に黙って、野菜も蕨も食うことなしに伯夷叔斉のように速やかに飢えて死ぬがよいではないか!――

お前らに――愛する人間の死を悼む、孤としての他者の気持ちを批評する権利は――全くない――

僕は飢えて死のう

だから問題ない

だから君も

同じように飢えて死ね――

母は何も食わず

最後に父が指で唇につけてやった蜂蜜だけをなめて亡くなった――

そんな現実に眼を瞑るなら

僕を慰めるために

僕に語り掛けることはするな

因みに、僕の右腕首は先日来、痛みと腫れを生じ始めた……お前は、天罰でも当ったと、言うか?……僕は「天」など信じない……だから、安心し給え……だから黙ってほっとして……そうして、ほくそ笑むがいい……母が思ったように、それがお前の「業」なんだと言うかも知れぬが……僕は、全く以て、そうは思わない……天もないから罰もないのさ……お前らも、いつ何時そうなるか分からない、だからその時に、後悔なさらぬように……では、また

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