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2012/01/04

鈴木しづ子 三十三歳 昭和二十七(一九五二)年八月二十四日附句稿五十五句より(2) 九(十)句

 犬の屍のがつと血を吐く炎暑の地

 狙った感じだが下五の響きとイメージが私には今一つ弱い気がする。

 カルメンは煙草女工わたしは紡績女工ニツキ嚙む

 新涼の紡績會社の門くぐる

 しづ子が紡績女工であったという事実はない。この句はそうした事実を云々する材料というより、自身を「ノラ」を越えて、カルメンに比している部分にこそしづ子の真骨頂を詠むべきである。前句はもう自由律の長律に近い。

 天とほくキヤレン颱風をそれにけり

 美しく颱風をいふ女人の名

 国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所のHPの「川について知る」の中に「台風の名前は外国人女性!?」という頁があり、そこに、現在は一般に発生順で番号を振って呼称する(近年は実際にはすべてに名前が付けられているが、通常のメディアでは全く使用されていない)のにかつてはどうして英語名で台風が呼ばれたのかという点について述べており、それは昭和二十二(一九四七)年から昭和二十七(一九五二)年までの六年間、日本がアメリカの占領下にあったため、アメリカ本土のハリケーンに倣って、日本の台風に女性の英語名を付けることが『強要されていた』とあり、この間に発生したカスリーン(一九四七)・アイオン(一九四八)・キティ(一九四九)・ジェーン(一九五〇)・ルース(一九五一)などの『台風名は番号ではなく、英語名が正式名』なのだとある。私は『強要されていた』というのには、正直、吃驚している。これは公機関の記事である。

 標札てふものもちこことなしちらつく雪

 祭幟はためくこころうつろなる刻に

 祭幟抗ふ如くはためけり白露や若ければこそ死を希ふ

 前の二句は明らかな破調を狙った新傾向である。三句目はママ。「祭幟」は「まつりばた」と読んでいるか。三句目はその極限の思い切った長吟かと期待したのだけれど、よくみるとこれは「祭幟抗ふ如くはためけり」「白露や若ければこそ死を希ふ」で完全定型である。ちょっと残念。

 白露や人を追ひ死すこともよく

 「人」はケリーであろうが……しづさん……そう、「あの人」を苛めてはいけませんよ……

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