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2013/03/05

鬼城句集 新年之部 (全) / カテゴリ「鬼城句集」始動

ブログ・カテゴリ「鬼城句集」を始動する。



鬼城句集

 

[やぶちゃん注:大正六(一九一七)年四月中央出版協会発行の「鬼城句集」を復刻した、昭和五八(一九八三)年財団法人日本近代文学館刊の「名著復刻 詩歌文学館 紫陽花セット」内の同句集を底本としたが、字配(特に文字空けと句の均等割付)などは原則、無視している。踊り字「〱」「〲」は正字化した。一部に禁欲的に注を附した。句の電子化終了後に、高濱虛子及び大須賀乙字の「序」、鬼城の「例言」を附してHP版を作製する予定である。【ブログ始動・二〇一三年三月五日】]

 

新年之部

鬼城句集

 新年之部


  時候


元日   緣側の日にゑひにけりお元日

     元旦や枯木の宿の薄曇り

     元日やふどしたゝんで枕上

三日   一壺かろく正月三日となりにけり

四日   小坊主の法衣嬉しき四日かな

三ケ日  門さして寺町さみし三ケ日

     ともしらの酒あたゝねぬ三ケ日

松の内  松の内村人二人まゐりけり

廿日正月 正月も繿縷市たちて二十日かな

正月   正月や何して遊ぶ盲者達

  

  天文

 

お降   お降や羽根つきに行く傘の下

     お降や袴ぬぎたる靜心

  

  地理

 

惠方   白雲の靜かに行きて惠方かな

  

  人事

 

御慶   御慶申す手にいたいたし按摩膏

[やぶちゃん注:底本では「いたいたし」の後ろの「いた」は踊り字「〱」。]

     髻を女房に結はせ年賀かな

雜煮   雜煮食うてねむうなりけり勿體な

     もうもうと大鍋けぶる雜煮かな

[やぶちゃん注:底本では「もうもう」の後半は踊り字「〱」。]

歌留多  二つ三つ歌も覺えて歌留多かな

     歌かるた讀み人かへてとりにけり

羽根   靜かさや冴え渡り來る羽根の音

     獅子舞に團十郎を知る子かな

     前髮に二つはさむや羽根大事

手毬   日暮るゝに取替へてつく手毬かな

     杣の子の二つ持ちたる手毬かな

破魔弓  破魔弓を掛けて時めく主人かな

     二つ掛けて老い子育つる破魔矢かな

     四十二の鬼子育つる破魔矢かな

     破魔弓をかけて寺ともなかりけり

繭玉   繭玉や店ひろびろと船問屋

[やぶちゃん注:底本では「ひろびろ」の後半は踊り字「〲」。「村上鬼城記念館」公式サイト「鬼城草庵」の鬼城俳句と自画讃で猿曳の絵を添えた短冊が見られる。]

初曆   吉日のつゞいて嬉し初曆

     草の戸に喜び事や初曆

飾    古鍬を研ぎすましたる飾かな

     壁にかけて二挺の鍬の飾かな

門松   門松や蔭言多き吉良屋敷

     松立てゝゆゝしき門となりにけり

     門松や戸をさして住む百姓家

     松立てゝ大百姓の門二つ

     柴門に大きな松を立てにけり

書初   庵主の禿筆を嚙む試筆かな

食積   食積や喜び事のつゞく家

若水   若水のけむりて見ゆる靜かな

     包井や老も起きそふ草の宿

初手水  上人の御顏なつかし初手水

年玉   年玉や水引かけて山の芋

     年玉や寺でくれたる飯杓子

     年玉や大きな判の伊勢曆

初荷   山里を通り拔けたる初荷かな

     藥湯に四五俵の炭の初荷かな

左義長  左義長や河原の霜に頰冠

     大穴に霜の煮え立つとんどかな

     谷間の二軒の家のとんどかな

七草   ことことと老の打ち出す薺かな

[やぶちゃん注:底本では「ことこと」の後半は踊り字「〱」。]

     七草やもうもうけぶる馬の粥

[やぶちゃん注:底本では「もうもう」の後半は踊り字「〱」。]

     とかくして冷たうなりぬ七草粥

用始   向合うて墨すりかはせ用始

     用始禿筆嚙む小吏かな

鍬始   鍬始小松並べて植ゑにけり

     山畑に朝日大きや鍬始

     鍬始乏しき酒をあたゝめぬ

     烏帽子着て畑ヶ二打身三打かな

     鍬始淺間ヶ嶽に雲かゝる

調練始  大筒をひき出て調練始めかな

彈始   彈初や官位持ちたる琵琶法師

鏡開   老猿をかざり立てたり猿まはし

     大猿に小さき着物や猿まはし

傀儡師  傀儡師鬼も出さずに去にゝけり

懸想文  薄墨のたよりなき色や懸想文

  

  植物

 

福壽草  福壽草咲いて筆硯多祥かな

     福壽草や卓に掛けたる白錦

     福壽草何隱したる古屛風

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