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2013/04/15

走る宮殿 大手拓次

 走る宮殿

 

紺色にまたみどり色にあかつきの空を手でかなでる、

このみごもりの世界に滿ちた悉くの蛇よ、

おまへたちの その女のへそのやうなやはらかな金(きん)のうろこをうごかして、

さびしいこのふるい靈像のまはりをとりまけ、

うろこからでる靑銅の焰(ほのほ)はをどる、

なみだをたれてゆく化生(けしやう)の罪は

霧のやうに消えさる。

あかつきは生長して紅(べに)の彩光をなげあたへ、

ひとつひとつの住居(すまゐ)はとびらをひらいて念じ、

さて、わたしたち精靈(せいれい)の宮は

あけぼののやさしい Chorus(コオラス) のなかへとはしる。

 

[やぶちゃん注:「Chorus(コオラス)」表面上は、コーダで「わたしたち」である「精靈の宮」は、目に見えぬ流体としての合唱の歌声の奔流の中へと走り入ってゆくのであるが、私は拓次がこれをわざわざ英文で表記したことに拘る。これは合唱の声であると同時にこの「走る宮殿」という名の野外劇に於ける、そのコロス(“choros”。古代ギリシャ語由来で“chorus”の語源、古代ギリシア劇に於ける合唱隊)の中へと走り去るように思われてならない。ウィキコロス」によれば、『コロスは観客に対して、観賞の助けとなる劇の背景や要約を伝え、劇のテーマについて注釈し、観客がどう劇に反応するのが理想的かを教える。また、劇によっては一般大衆の代わりをすることもある。多くの古代ギリシア劇の中で、コロスは主要登場人物が劇中語れなかったこと(たとえば恐怖、秘密とか)を登場人物に代わって代弁する。コロスは通常、歌の形式を採るが、時にはユニゾンで詩を朗読する場合もある』とある。]

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