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2013/05/07

(無題) 萩原朔太郎 (未発表詩「祈禱」初期形)

すつぱりすつきりとがつた光つて→直立して靑竹

ぴんと光つた靑竹

眼のそこいらいちめんそこでもこゝでも

ずばすば生えたヤブの中でも

おれはぐんぐんつきおれほぐんくつきやぶつてすゝんだ

ひつそりして立とまると

ぴいぴい鳥がないてゐる

いちめんにかさなつた笹の隙間から

いちにち鳥が鳴いて居る

笹葉の隙間から

天がまつさをに光つてみえた

 

[やぶちゃん注:底本の第三巻『草稿詩篇「未發表詩篇」』(四六二五頁)に載るもの。無題であるが、底本では「祈禱」と題するものの草稿とする。取り消し線は抹消を示し、その抹消部の中でも先立って推敲抹消された部分は下線附き取り消し線で示した。「→」の末梢部分は、ある語句の明らかな書き換えがともに末梢されたことを示す。なお、

ぴいぴい鳥がないてゐる

いちめんにかさなつた笹の隙間から

いちにち鳥が鳴いて居る

笹葉の隙間から

の四行は、底本では一まとまりの詩句推敲部と判断されている。とりあえず、以上のテクストの抹消部分を除去して示す。

 

ぴんと光つた靑竹

そこいらいちめん

ずばすば生えたヤブの中で

ぴいぴい鳥がないてゐる

かさなつた笹の隙間から

いちにち鳥が鳴いて居る

天がまつさをに光つてみえた

 

「ずばすば」は底本編者は「ずばずば」の誤字とするが、ママとした。また、最後の四行もこうして見ると決して平行した重複の詩句のようには見えない。なお、こうした除去詩形は底本では示されいない。しかし、これでそれなりに完成された詩形として我々はこれを読むことが出来るように私には思われるのである。]

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