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2013/05/05

日輪草 大手拓次

 日輪草

 

そらへのぼつてゆけ、

心のひまはり草(さう)よ、

きんきんと鈴(すゞ)をふりならす階段をのぼつて、

おほぞらの、あをいあをいなかへはひつてゆけ、

わたしの命(いのち)は、そこに芽をふくだらう。

いまのわたしは、くるしいさびしい惡魔の羂(わな)につつまれてゐる。

ひまはり草よ、

正直なひまはり草よ、

鈴のねをたよりにのぼつてゆけ、のぼつてゆけ、

空(そら)をまふ魚(うを)のうろこの鏡(かゞみ)は、

やがておまへの姿をうつすだらう。

 

[やぶちゃん注:「日輪草」拓次は標題にはルビを振らない。従ってこれを「にちりんさう」と「ひまはりさう」の孰れで読んでいるかは不明である。詩中で一貫して「ひまはりさう」と読んでおり、その可能性の方が強いとは言える。「羂」は罠に同じ意で用いている。狭義に言えば、本字は網や紐のようなもので括る罠という意である。]

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