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2013/07/27

小学校終業式 三首 中島敦 (「小笠原紀行」より)

   今日は小學校の終業式なりけり、校庭の周邊には

   柵を打たずして熱帶植物もて固めり、木の名を問

   へばタマナといふ。如何なる字を宛つるならむ

通信簿人に見せじと爭ひつゝ子ら出できたるタマナの蔭ゆ

[やぶちゃん注:太字「タマナ」は底本では傍点「ヽ」。これはツバキ目オトギリソウ科テリハボク Calophyllum inophyllum の小笠原諸島での地方名。太平洋諸島・オーストラリア・東南アジア・インド・マダガスカルなどの海岸近くに分布し、世界の熱帯・亜熱帯地域に於いて広く栽培されている。日本では南西諸島と小笠原諸島に自生するが、これらは移入によるとも考えられている。成長は遅いが、高さは一〇~二〇メートルに達する。葉は対生で、長さ一〇~一五センチメートルほどの楕円形で光沢があり(和名の由来)、裏面の葉脈が目立つ。花は直径二~三センチメートル、一〇個前後が総状花序に開く。花弁は白く四つあり、黄色い多数の雄蕊を持ち、芳香がある。果実は径四センチメートルほどの球形の核果で、赤褐色に熟し、大きい種子を一つ持つ。沖縄では見かけのよく似たオトギリソウ科フクギ Garcinia subelliptica とともに防風林として植えられる。観賞用にも栽培されるほか、材は硬く強いので家屋・舟・道具の材料に用いられる。小笠原諸島では「タマナ」の名称で親しまれ、材を用いてカノー(アウト・リガー・カヌー)を造った。種子からは油が採れ、食用にはならないが外用薬や化粧品原料に用いられ、灯火用にもされる。現在はバイオディーゼル燃料に適するとして注目されている。なお、「如何なる字を宛つるならむ」と中島敦は言っているが、安部新氏の「小笠原諸島における日本語の方言接触:方言形成と方言意識」(2006年南方新社刊)によれば、タマナは他に「メールトマナ」「ヒータマナ」とも呼ばれ、これは実は日本語ではなく、英語の“male”・“he”+ハワイ語“kamani”・古代ポリネシア語“tamanu”の合成語(孰れもテリハボクを指すものと思われる)であるらしい。]

今日はしも終業式ぞ紋付の子も打交り白き道行く

紋付も半ズボンもありおのがじし通信簿もち騷ぎ連れ行く

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