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2013/07/07

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第五章 大学の教授職と江ノ島の実験所 13


M132


図―132

M133

 

図―133

 

 江ノ島は有名な遊覧地なので、店には土地の材料でつくつた土産物や子供の玩具が沢山ある。海胆(うに)の二つでつくつた簡単な独楽がある(図132)。小香甲(こうこう)の殻を共鳴器とし、芦笛をつけた喇叭(らっぱ)(笛というか)もある(図133)。この独楽は長い間廻り、喇叭は長い、高い声を立てた。これ等は丈夫で、手奇麗につくってある。而も買うとなると、私の持っていた最小額の貨幣は日本の一セントだったがおつりを貰うのが面倒なので三つ貰った。小さな箱の貝細工、上からつるした輪にとまった貝の鳥、その他の上品な貝細工のいろいろを見た私は、我国で見受ける鼻持ならぬ貝細工――ピラミッド、記念碑、心臓形の品、ぱてをごてごてくっつけた、まるで趣味の無い、水腫にかかったような箱――を思い出さずにはいられなかった。

[やぶちゃん注:太字「ぱて」は底本では傍点「ヽ」。

「小香甲の殻を共鳴器とし、芦笛をつけた喇叭」原文“a trumpet or whistle was made of a reed with the shell of Eburna as a resonator”。この“Eburna”とは腹足綱前鰓亜綱新腹足目アクキガイ超科マクラガイ科の一種を指す属名のようだが、図―133の貝の形状を見る限りでは、腹足綱吸腔目バイ科バイ Babylonia japonica 若しくはその近縁種に同定してよいと私は思う。実際にバイ Babylonia japonica は子供用の玩具である「貝笛」として昔から加工されてきた。個人ブログ「海図鑑:貝 喫茶干し蛙」の「バイ(貝)」(下から2/3ほどのところ)に画像附きで載り、『貝独楽(ベーゴマ、またはベイゴマ)という今ではあまり見かけない昔懐かしの玩具があるがこれはバイゴマが転訛したもので鋳鉄製となってからもその名残として殻を模した模様が彫られている』。『つまりベーゴマの起源はバイなどの巻貝の殻で作ったことにある』。『笛にもなるようで貝笛と呼ぶらしい』。『この件についてはまた調べて実際に笛を作ってみようと思う』とある。なお石川氏の訳の「小香甲」はあまりよい訳とは言えない。恐らくは氏は「香甲」を広く巻貝の意で用いているように思われるが、「香甲」は「甲香(こうこう)」「貝香(かいこう)」を指す語で、狭義には吸腔目アッキガイ科 Rapana 属アカニシ Rapana venosa を指すからである(和名の漢字表記は本種の蓋を粉末にしたものを保香剤として練り香に用いることによる)。そのうち、私も江の島に行ってこの二種の玩具に近いものを捜してみたいと思っている。江の島で探すことに意味がある。]

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