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2013/08/22

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第八章 東京に於る生活 10 God damn it !

 大学での具その他の海生物に関する仕事は、うまい具合に進行しつつある。私は展覧の目的で、只のいろいろな「種」をテーブルにのせたり、標票(ラベル)をつけたりしている。今朝貝の入った皿を動かしていた時、私はすこし開いた扉に衝突して、貝のいくつかをこぼした。そこで私は、不幸にも且つ誤謬的に、瀆神(とくしん)語の範疇に入れられてある古い純然たるサクソンの表現を、語気強く使用した。私が癇癪を起したのを見て、助手は微笑した。で、かねて私は、日本人が咒罵(じゅば)しないという事を聞いていたので、助手に向って、このような場合、脳の緊張を軽減するために、何かいわぬのかと質ねた。彼は日本人も時として呪語を使用すると白状した。これはいい、時々必要を感じる日本語の咒罵語が覚えられる――と私は思った。然るに助手が教えてくれたのは「厄介な」とか「面倒な」とかいうようなことを意味する言葉で――多分我国の“Plague take it!”程度の表示であろう――これが日本人の瀆神の最大限度なのである。しばらくしてから私は陶器の急須を落した。幸い割れなかったので、別に呪語めいたこともいわなかったが、助手に日本人はこんな場合、どんなことをいうかと聞いた所が、「俺に別れの挨拶をしないでこんな風に別れて行くお前は何と無礼であることよ!」という意味のことを、急須に向っていうだけだとのことであった。
[やぶちゃん注:「瀆神語の範疇に入れられてある古い純然たるサクソンの表現」原文は“a good old Saxon expression which is unfortunately and erroneously put in the category of profane words.”でその表現自体は記されていないが、恐らくは“God damn it !”の類いであろう。
「日本人が咒罵しない」原文“Japanese did not swear”。“swear”は呪いや怒りを以て~を罵る、~に毒づくことで、まさに“Damn it!”“God damn it!”“Blast!”(“damn!”の婉曲表現)などの怒りや軽蔑を含む表現を口にする、という動詞である。「咒罵」は「呪罵」で、呪い罵るの意。あまり見慣れぬ語であるが「瀆神的」表現を上手く出している。
『「厄介な」とか「面倒な」とかいうようなことを意味する言葉』ピンとこない。「いまいましい!」「面倒臭せえ!」ぐらいしか浮かばないのだが。識者の御教授を乞うものである。
「“Plague take it!”」底本には直下に訳者の『〔罰あたり奴〕』という割注がある。“Plague”は天罰のような災い・災難・不幸・不運の謂いで、“Plague on it him!” “Plague take it him!”などと使い、「いまいましい!」「畜生!」の謂いとする。
「俺に別れの挨拶をしないでこんな風に別れて行くお前は何と無礼であることよ!」原文は“How impolite you are to leave so unceremoniously without saying good-bye!”なのだが、モース先生、日本語の発音のままに残しておいて呉れたら、目から鱗だったのですがねえ……。どなたか、この時に助手が言った言葉、ドンピシャリ、と教えて呉れませんか?]

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