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2013/08/24

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第八章 東京に於る生活 16 驚愕の籠細工

M210


図―210

 



M211


図―211

 


M212


図―212

 

 ある友人が、東京のごみごみした所で、昆虫や海老や魚類やその他の形をした、小さな懸け花生けをつくる、籠製造人を発見した。私は彼をさがし出して、数個の標本を手に入れた。図210は蔓のある瓢(ひさご)の形をしている。葉及び昆虫の翅のような平な面は、蓙(ござ)編みで出来ているが、他の細部はみな本当の籠細工である。裏に環があって、それで壁に懸け、内部には水を入れる竹の小筒が入っている。図211はザリガニを、図212は鯉を示すが、この写生図は、鯉の太って曲った身体や、尾の優美な振れ方を、充分にあらわしてはいない。図213は螇蚚(ばった)で、かなりよく出来ているが、こんな物にあってすら脚の数は正しく、そして身体の適当な場所から出ている。図214の蜻蛉も、かなりな出来である。図215は籠細工で表現するにしては、奇妙な品だが、形は実に完全に出来ているから、菌類学者なら殆どその「属」を決定するであろう。これ等の藁製品は長さ六インチか八インチで、値段はやすく、十セントか十五セントであった。これ等及びこの性質のすべての細工に関する興味は、日本人が模製する動物の形態を決して誤らぬことである。昆虫の脚は三対、蜘蛛は四対、高等甲殻類は五対、そしてそれ等がすべて身体の正確な場所から出ている。これ等を正確にやり得る原因は、彼等が自然を愛し、かつ鋭い観察力を持っているからである。かかる意匠の多くは象徴的である。

 


M213


図―213

 


M214

図―214

 


M215


図―215

 

[やぶちゃん注:ここに示された驚異の籠細工と似た工芸品を御存知の方は、是非、お教え願いたい。

「ザリガニ」原文“crayfish”。この単語は確かに一義的には甲殻亜門軟甲綱真軟甲亜綱ホンエビ上目十脚(エビ)目抱卵(エビ)亜目ザリガニ下目 Astacideaのザリガニ類及びその料理用の肉を指すが、これは図でご覧の通り、抱卵(エビ)亜目イセエビ下目イセエビ上科イセエビ科イセエビ Panulirus japonicas 以外の何ものでもなく、“crayfish”も二義的にはイセエビ類をも指すから「ザリガニ」の訳は戴けない。なお、この単語の“cray”は古語である中期フランス語“crevice”「クレヴィース」(現代フランス語の“écrevisse”。これはやはりフランス料理よろしく一義的にはザリガニであるが、やはり二義的に“écrevisse de mer”、即ちイセエビの方言として用いられている)に由来する。後半の“-vice”は、その音が“fish”に似ていたことが、一般的な海産生物の英語の接尾辞として一致したことによる造語であろう。なお、この“crevice” 自体、フランク語(現在のオランダとその周辺に当たる地域でメロヴィング朝時代(七世紀以前)に使われた言語)由来で、英語“crab”(蟹)も同語源で、実際、フランス語で“Écrevisse”はかに座を意味する(語源部分は一部ウィキザリガニ」の記載を参考にした)。

「長さ六インチか八インチ」これらの工芸品は約15センチメートルから大きくても20センチメートル強であったらしい。]

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