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2013/09/30

ラストに電車に押し潰される夢

僕は横浜駅近くの図書館でかつての同僚教員相手の研修会で発表をしている。
[やぶちゃん注:場所は平沼高校辺りの架空の施設である。]

内容は河合隼雄ばりの日本昔話の深層心理である。次のような質問を立て続けに参加者に指名で投げかけている。
――浦島太郎は何故玉手箱を開けて老人、古形では白鳥にならねばならなかったか? その白煙や白鳥の「白」は何をシンボルするのか?
――かぐや姫は何故前半と後半で人格が豹変せねばならないのか? 富士から永遠に立ち上り続ける燃え切ることのない不老長寿の焼却の煙と浦島の玉手箱の白煙はどこか似ていないか?
――花咲か爺さんがときじくの花を再生する「灰」と浦島の「白煙」と竹取の霊薬の「煙」とは皆軌を一にした象徴ではないか? ポチとは原型に於いて本当は「犬」ではなかったのではないか?
そう問う僕には、それらについて明瞭で驚天動地の意外な解答を持っているらしいこと、その答えにすこぶる自信を持っていることがその表情から汲み取れた。
[やぶちゃん注1:この中の前の二つ、「浦島太郎」と「竹取物語」についての疑問は私が教師時代に授業で投げかけた問題を含むが、私はそれを明らかにする明確な仮説を持っている訳ではない。三番目のものは何か性的な分析結果を夢の中の僕は持っているらしく感じられた。]
[やぶちゃん注2:この夢を私は第三者として、映画のマルチ・カメラの様に、多様な角度から眺めている。ないわけではないが、私の夢は一人称夢が多く、比較的珍しい。ただこれは、後のカタストロフ場面でリアルでショッキングな効果を発揮していたことは事実である。]

聴いている同僚たちは如何にも退屈そうで、疲れた顏をしている。
[やぶちゃん注:この手の研修は翠嵐時代の終わりによくやらされたし、聴きもした。但し、結構、面白おかしくやっていた。ただ、擦り切れるような多忙の中でやらされていたから、誰もが肉体的には限界的に疲れていたようには思われる。]

そこに突然、津波警報が発令される。
全員が退避するのだが、向いにある踏切の前に立って見ていると、電車は殆んど止まりかけている。
私は線路沿いに横浜駅に向かおうとする。
細い路地を通るとコンクリを打っていない土の地肌の出たところに踏み込んだとたん、端の方に巨大な陥没が出来て、一瞬内に水が吹き出し、地面が液状化、その泥が今度はその穴に激しく吸い込まれてゆく。僕はそれに足を採られてその穴の奈落に落ちそうになるが、辛うじて逃げ延びて走っている(この前後の映像はややスローモーションがかかって見易くなっている)。

続く風景は北海道の田舎の駅の荒寥寂寞とした雰囲気である。
とある小学校のプールに裏口から入り込んでしまって、そこで不審者とすてとがめられそうになる。「津波から退避しようとしてあそこの裏口から誤って迷い込んだのです。怪しい者ではありません。近くの翠嵐高校の教員です」と謝ると、その事務長らしい男性は扉を開けて出してくれながら、「誰もがそうした肩書で許してくれると思うものさ」と皮肉を言った。
[やぶちゃん注:このシーンの元はかなり分かり易い。北海道の田舎の駅の光景や小学校の事務長というのは、間違いなく昼間見たNHKの「こころ旅」のマンマ。肩書云々というのは例の経済産業省のキャリアへの怒り心頭に発している意識の表われと解釈出来よう。]

横浜駅に近づく[やぶちゃん注:言わずもがなであるが似ても似つかぬもの。]。高速の高架があってその下の僕が歩いている路上のすぐ脇を路面電車のように相模線の線路が走っていて、それに直角にクロスして(!)JRが走っている。避難民で満員の相模線が物凄いスピードで走って来る。――あのスピードは危ない!――と思った瞬間[やぶちゃん注:この辺りは福知山線事故の無罪判決の影響だろう。]、高速の橋脚に接触、脱線し、二つほど車輌は右半分が完全に切断される。反対側の左座席に座っていた乗客の無数の足が力なく中空にぶら下っている。それが皆、若い女性の真っ白な足である[やぶちゃん注:不気味ながらこれも分かりがいい。「こころ旅」で火野正平が盛んに若い女性の生足を目で追いかけるのを、カメラもなぞっていた、その意識残像と見て間違いないからである。]。僕は線路のクロスする近くに茫然と立ち竦んでいる[やぶちゃん注:カメラは二十メートル以上離れた橋脚下から広角で撮っている。]。そこにまた猛スピードで東海道線が突っ込む。――白煙が辺りに立ち込める。カメラは累々たる残骸と血まみれのまま動かない負傷者達を捕りながら、平行にトラックして、画面が乱れ流れる――(FO)
[やぶちゃん注:最後の立ち位置から見てラストで僕自身は電車に押し潰されてしまったものと思われる。]

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