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2013/09/21

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第二章 日光への旅 5 馬車で逢った婦人と(附 やぶちゃんが昔イタリアでおばさんたちにモテた話)

 このうえもなく涼しい日に、このうえもなく楽しい旅を終えて我々は宇都宮に着いた。目新しい風物と経験とはここに思い出せぬほど多かった。六十六マイルというものを、どちらかといえば、ガタピシャな馬車に乗って来たのだが、見たもの、聞いた音、一として平和で上品ならざるはなかった。田舎の人々の物優しさと礼譲、生活の経済と質素と単純! 忘れられぬ経験が一つある。品のいいお婆さんが、何マイルかの間、駅馬車内で私の隣に坐った。私は日本語は殆ど判らぬながら、身振りをしたり、粗末な絵を描いたりして、具合よく彼女と会話をした。お婆さんはそれ迄に外国人を見たこともなければ、話を交えたこともなかった。彼女が私に向って発した興味ある質問は、我国の知識的で上品な老婦人が外国人に向かってなすであろうものと、全く同じ性質を持っていた。

[やぶちゃん注:最後の部分、実は底本では「我国の知識的で上品な老婦人が外国人に向かってなすであろうと、全く同じ性質を持っていた」となっている。日本語としてこなれない。参考にさせて頂いている(実際には底本が異なっていて、省略変更箇所が多過ぎるために結果としてはあまり加工データとしては使用していないが)網迫氏の「網迫の電子テキスト乞校正@Wiki」の「第二章 日光への旅」には「なすであろうものと」と正しくなっている。これを採用させて貰った。

 ……モースが体験したのと同じ気分を私は二十二年前の妻と二人のイタリア旅行で何度も味わったことを思い出す。……シエナやアレッツオ、田舎へ行けば行くほど、宿の女将や夕涼みの婦人たち、コンパートメントで隣り合った老修道女までもが、私に親しく話しかけてきたものだった(無論、イタリア語は全く話せない)――ただその代り、一切の支払いを妻がしていたために男性からはテッテ的に嘲笑された。無論、所謂、古風なタイプの顔立ちの妻は私を嘲弄するイタリア野郎には逆にモテモテであった――未だ三十四歳で、少しはスマートだった……何人ものイタリアのおばさんたちは私のことを“giapponese Bambino! ”と呼んで抱きつき、キス攻撃を受けた……ああ、またイタリア、行きたいなあ……]

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