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2013/09/15

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第一章 一八七七年の日本――横浜と東京 25 子供達の天国たる日本

 いろいろな事柄の中で外国人の筆者達が一人残らず一致する事がある。それは日本が子供達の天国だということである。この国の子供達は親切に取扱われるばかりでなく、他のいずれの国の子供達よりも多くの自由を持ち、その自由を濫用することはより少く、気持のよい経験の、より多くの変化を持っている。赤坊時代にはしょっ中、お母さんなり他の人人なりの背に乗っている。刑罰もなく、咎めることもなく、叱られることもなく、五月蠅(うるさ)く愚図愚図(ぐずぐず)いわれることもない。日本の子供が受ける恩恵と特典とから考えると、彼等は如何にも甘やかされて増長して了いそうであるが、而も世界中で両親を敬愛し老年者を尊敬すること日本の子供に如くものはない。爾(なんじ)の父と母とを尊敬せよ……これは日本人に深く浸み込んだ特性である。子供達は赤坊時代を過ごすと共に、見た所素直げに働き始める。小さな男の子が往来でハケツから手で水を撒いているのを見ることがある。あらゆる階級を通じて、人々は家の近くの小路に水を撒いたり、短い柄の箒で掃いたりする。日本人の奇麗好きなことは常に外国人が口にしている。日本人は家に入るのに足袋以外は履いていない。木製の履物なり藁の草履なりを、文字通り踏み外してから入る。最下層の子供達は家の前で遊ぶが、それにしても地面で直(じ)かに遊ぶことはせず、大人が筵を敷いてやる。町にも村にも浴場があり、そして必ず熱い湯に入浴する。
[やぶちゃん注:これらの至高の賛辞を読みながら……ここのところ、毎日のように繰り返し報道される親の子への虐待や殺害事件の報道を目にするにつけ……私は日本人としてモース先生に恥ずかしい気がして来るのである……。]

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