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2013/10/23

行く春や逡巡として遲櫻 蕪村 萩原朔太郎 (評釈)

   行く春や逡巡として遲櫻

「逡巡(しゆんじゆん)」といふ漢語を奇警に使つて、しかもよく效果を納めて居る。芭蕉もよく漢語を使つて居るが、蕪村は一層奇警に、しかも效果的に慣用して居る。一例として

     櫻狩美人の腹や減却す

[やぶちゃん注:昭和一一(一九三六)年第一書房刊「郷愁の詩人與謝蕪村」の「春の部」より。「櫻狩」の句は底本ではポイント落ち。「櫻狩」の句は、

  一片花飛減却春
さくら狩(がり)美人の腹や減却(げんきやく)す

で、前書は訓読に従えば「一片の花 飛んで春を減却す」と読み、これは杜甫の「曲江 一」の冒頭の一句で、たった一枚の花びらでさえ散っても春の情趣が減ってゆく(春が過ぎ去ってしまう)の謂い。蕪村はそれを桜狩に来たはいいが、客の美女が腹を減らして歩き疲れているさまに諧謔したのである。]

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