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2013/10/13

春雨や人住みて煙壁を洩る 蕪村 萩原朔太郎 (評釈)

   春雨や人住みて煙壁を洩る

 

 蔦かずらの纏(まと)ふ廢屋の中から、壁を傳つて煙が洩れてる。(人が來て住んだ爲に。)その煙は空に融け合ひ、霏々として降る春雨の中で、夢のやうに白く霞んで居るのである。廢屋と、煙と、春雨と、好個の三畫題を取り合せて、眞に縹渺たる詩情を描き出して居る。蕪村名句中の一名句である。

 

[やぶちゃん注:昭和一一(一九三六)年第一書房刊「郷愁の詩人與謝蕪村」の「春の部」より。底本では句は「人住んで煙」と表記されるが、知られる原句は「人住て煙」であるから、かく訂した。「煙」は「けぶり」と読んで字余りである。ここは孰れにせよ、ルビを振るべきところである。]

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