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2013/12/31

鬼城句集 冬之部 維摩會

維摩會   維摩會にまゐりて俳諧尊者かな

 

      維摩會や默々としてはてしなき

 

[やぶちゃん注:「維摩會」は「ゆいまゑ(ゆいまえ)」と読み、維摩経を講ずる法会。十月十日から七日間、奈良の興福寺で行われる。維摩講。現在、この日程であるにも拘わらず(伝統的保守的な歳時記観では十月は三秋(晩秋)である)、歳時記では冬とし、「大辞泉」では本句を例文として掲げてある。興福寺は法相宗(ほっそうしゅう)の大本山である。法相宗は唯識宗・慈恩宗とも言い、中国十三宗及び日本南都六宗の一つ。「瑜伽師地論(ゆがしじろん)」や「成唯識論(じょうゆいしきろん)」等を根本典籍とし、万有は識、即ち心の働きに拠るものとして、存在の「相」を究明することを目的とする。玄奘三蔵の弟子であった基(き)を初祖として本邦には白雉四(六五三)年に道昭が伝えた。平安時代までは貴族の強い支持を受けた宗派で、現在はこの奈良の興福寺と薬師寺を大本山としている。この「人事」の最初の部立、作者鬼城(曹洞宗)が「お命講」(日蓮宗)・「報恩講」(浄土真宗)・「十夜」(浄土宗)・維摩會」(法相宗)と四連発させて、さながら仏教博物誌の様相を呈しているは面白い。一句目の「俳諧尊者」の自身への皮肉もまた面白い。]

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