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2013/12/25

『風俗畫報』臨時増刊「江島・鵠沼・逗子・金澤名所圖會」より江の島の部 21 先哲の詩(33)

  遊畫島値雨  岳融

浮洲神女殿。

蒼壁鏡中開。

蜃氣巖廟合。

龍蟠石岸廻。

星査凌蚌月。

鼈頸踐梯苔。

嶽雪藏空盡。

天風扇海來。

雲張鵬翼起。

水撒浪花摧。

自改麻姑眼。

誰銜欒子抔。

傾盆急雨過。

覆島濺連臺。

已有高唐色。

慚無宋玉才。

 

[やぶちゃん注:岳融は既出(但し、詳細不詳)。「欒子抔」は底本「欒子抔」、「覆島」は底本「履島」であるが、誤植と見て、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーの「相模國風土記」の「藝文部」で訂した。

 

  畫(ゑ)の島に遊び、雨に値(あ)ふ  岳融

浮洲 神女殿

蒼壁 鏡中 開き

蜃氣 巖廟 合す

龍蟠 石岸の廻(くわい)

星査(せいさ) 蚌月に凌(の)り

鼈首(べつしゆ) 梯苔(ていたい)を踐(ふ)む

嶽雪 空を藏(かく)して盡き

天風 海を扇(あふ)ぎて來たる

雲は鵬翼(ほうよく)を張りて起き

水は浪花(らうくわ)を撒(ま)きて摧(くだ)くる

自(おのづ)から改む 麻姑(まこ)の眼(がん)

誰か銜(くは)へん 欒子(らんし)の杯(はい)

傾盆の急雨 過ぐるに

覆島して 連臺に濺(そそ)ぐ

已に 高唐の色 有り

慚(は)づ 宋玉の才 無し

 

「値」逢う。

「慚」恥じる。

「星査」星槎。遙か遠くを航行する舟。星槎は本来は、中国太古の伝承で、光を放つ巨大ない槎=筏(いかだ)で天を一周した、若しくは筏に乗って海と繋がっていると考えられていた天の川に辿り着いたという故事に基づく語。そこから、遊仙思想として俗世間を離れるといった意味でも用いられる。

「蚌月」不明。ただ、「蚌」には「漁父の利」で知られた淡水産のドブガイの他に、大蛤の謂いがあり、これは蜃気楼を現出させるものと信じられていたことと何か関係がありそうに思われる。識者の御教授を乞う。

「梯苔」苔蒸した階梯の道。

「麻姑」は仙女の名。西晋・東晋時代の葛洪の書「神仙伝」の巻二「王遠」及び巻七「麻姑」などに記載があり、その容姿は歳の頃十八、九の若く美しい娘で、鳥のように長い爪をしているという。サイト「中国故事街」の「仙人のお話 麻姑~爪の長い仙女」に詳しいエピソードが載るが、どうもこの「自改麻姑眼」に意が腑に落ちない。識者の御教授を乞う。

「欒子」は双子の意。前句との対句性から考えると神仙絡みの故事に基づくものであろうが、不勉強な私には前句とともに最早、全く以ってお手上げである。識者の御教授を乞う。。

「已に 高唐の色 有り/慚づ 宋玉の才 無し」は、男女の堅い契りを意味する「朝雲暮雨」の元となった戦国時代の宋玉の詠じた名作「高唐賦」を素材にしたもの。楚の懐王が高唐(楼台の名)に遊び、昼寝をした際、夢に神女と交わったが、神女は去り際に、自分は巫山に住む者で、朝(あした)には朝雲となり、暮には驟雨となって、朝な夕なあなたの楼台の元へと参りましょう。」と言ったが、まさにその言う通りであった(最後の部分の原文は「旦爲朝雲、暮爲行雨、朝朝暮暮、陽臺之下、旦朝視之如言」)という、賦の中に古譚として挿入される有名な話柄である。]

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