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2014/01/10

中島敦 南洋日記 十一月二十八日

        十一月二十八日(金) 晴

 午前中公學校。偶々京大の中山腎醫學博士とかの島民兒童智能檢査に立合ふ。中々面白し。パラオのカナカの方、遙かに此の地の者より優れたる由。校長及訓導の酷烈なる生徒取扱に驚く。オウクニヌシノミコトの發音をよくせざる生徒數名、何時迄も立たされて練習しつゝあり。桃色のシャツを着け、短き笞を手にせる小さき少年(級長なるべし)こましやくれた顏付にて彼等を叱りつゝあり。一般に生徒級長は授業中も室内を歩き廻り、怠けをる生徒を苔うつべく命ぜられをるものの如し。帽子を脱ぐにも一、二、と號令を掛けしむるは、如何なる趣味にや。

 夜、又、月を仰ぎつゝ、チャムロ家屋多き海岸通を歩く。白き道、微風、印度素馨、臥牛の傍らに、犬よりも大なりと見しは山羊なりけり。

[やぶちゃん注:威圧的な皇民化政策が垣間見られ、それへの敦の批判的な視線が如実に伝わってくる。

「印度素馨」リンドウ目キョウチクトウ科インドソケイ連インドソケイ Plumeria rubra。落葉樹で属名からプルメリアとも呼ばれる。原産地は中米であるが、亜熱帯・熱帯で広く栽培されている。樹高・樹幅ともに七~八メートルほどになり、白い芳香のある花をつける。多肉質の茎・太く短い枝を持ち、樹皮は灰色で枝はやや脆く、折れた断面からは皮膚を刺激する白い樹液が滲み出す。葉は長さ三十~五十センチメートルに達し、枝の先端に互生して冬には落葉する。花は夏から秋にかけて咲き、頂生する。花弁は五枚で白、中心はピンクから黄色に染まる。非常に強い芳香がある。蕾は螺旋状で、花の直径は 五~七・五センチメートル。Plumeria obtusa との交雑種も栽培され(葉が丸みを帯び、落葉性が低い)、ハワイでは花の中心が黄色い栽培品種“Singapore”が通年栽培され、お馴染みのレイとして用いられる(以上はウィキインドソケイに拠った)。]

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