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2014/01/27

萩原朔太郎 短歌六首 明治四三(一九〇二)年六月

淸元の神田祭のメロデイに似たる戀しぬたちばなの花

 

行く春の淡き悲しみいそつぷの蛙のはらの破れたる音

 

忘られず活動寫眞の幕切れにパリの大路を横ぎりしひと

 

しかれども悲劇の中の道化役の一人として我は生くべき

 

わが妹初戀すとは面白しオーケストラの若き笛ふき

 

日まはりの雄々しき花も此の國の人はかなしく捨てたまふ哉

 

[やぶちゃん注:『創作』第一巻第四号・明治四三(一九〇二)年六月号に「萩原咲二」名義で掲載された。朔太郎満二十三歳。二首目の太字「いそつぷ」は底本では傍点「ヽ」。『創作』は同年三月に若山牧水(当時満二十五歳)が編集者として創刊した文芸総合雑誌で、当時、全文壇の注目を集めたが、版元との意見が合わず翌年九月に廃刊となった。]

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