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2014/03/11

杭   山之口貘

 杭

 

一匹の守宮が杭の頂點にゐる

 

三角の小さな頭で空をつゝいてゐる

 

ぽかぽかふくらみあがつた靑い空

 

僕は土の中から生えて來たやうに

 

杭と並んで立つてゐる

 

僕の頂點によぢのぼつて來た奴は

 

一匹の小さな季節 かなしい春

 

奴は守宮を見に來たふりをして

 

そこで煙のやうにその身をくねらせてゐる。

 

[やぶちゃん注:【2014年6月25日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証した際、ミス・タイプ(というか、「僕の頂點によよぢのぼつて來た奴は」を以下のように訂せずにいた)を発見、本文を訂正して、さらに注も一部改稿した。】初出は昭和一三(一九三八)年三月三十日号『グラフイツク』(第三巻第六号)で発行所は東京市京橋区木挽町の創美社。掲載誌での表題は「守宮」であった旨の記載が思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」の解題にある。

 六行目は底本では、

僕の頂點によよぢのぼつて來た奴は

であるが、これは間違いなく原詩集自体の衍字と思われ、昭和一五(一九四〇)年山雅房刊の「山之口貘詩集」でも、また原書房刊の「定本 山之口貘詩集」でも、「僕の頂點によぢのぼつて來た奴は」と訂されてあるのでここでは例外的にそちらを採った。

 本詩は表記通り、有意に行間が空く。昭和三三(一九五八)年原書房刊の「定本 山之口貘詩集」では、この行空けはなく、最後の句点も除去されている。

 また、「定本 山之口貘詩集」では一行目の「守宮」に「やもり」とルビが振られてある。

 個人的には「思辨の苑」の中で一読忘れ難い最も印象的な数篇の一つである。]

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