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2014/03/15

喪のある景色   山之口貘 / 山之口貘詩集 新作分十二篇電子化開始

山之口貘詩集

 

[やぶちゃん注:昭和一五(一九四〇)年十二月二十日山雅房から刊行された。全七十一篇からなるが、冒頭の十二篇が新作で、以下の五十九篇は先行する「思辨の苑」をそのまま再録したものであるから、それらは省略して、新作分十二篇及び戦後の昭和三三(一九五八)年七月十五日原書房から刊行されたこの山雅房再版である「定本 山之口貘詩集」に新たに附された「あとがき」と「附記」を恣意的に正字に直して掲げた。戦後の「あとがき」と「附記」は新字とするのが正しいが、附記は正字体の「思辨の苑」絡みであること、「附記」を正字にしておいて、その前の「後記」のみが新字であるというのは私の趣味に反することから敢えて正字とした。悪しからず。なお底本「思潮社一九七五年七月刊「山之口貘全集 第一巻 全詩集」は山雅房初版本をテクスト、親本としており、思潮社新全集二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」が拠ったその決定版である原書房「定本 山之口貘詩集」とは異同がある。それは各注で示した。【2014年6月26日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」の入手によりこれ以降のブログでの山之口貘の詩篇の対比検証に入った。ここの注も一部を改稿した。】

 

 

 喪のある景色

 

うしろを振りむくと

親である

親のうしろがまた親である

その親のそのまたうしろがまたその親の親であるといふやうに

親の親の親ばつかりが

むかしの奧へとつゞいてゐる

まへを見ると

まへは子である

子のまへはその子である

その子のそのまたまへはそのまた子の子であるといふやうに

子の子の子の子の子ばつかりが

空の彼方へ消えいるやうに

未來の涯へとつゞいてゐる

こんな景色のなかに

神のバトンが落ちてゐる

血に染まつた地球が落ちてゐる。


[やぶちゃん注:【2014年6月26日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証した際、ミス・タイプを発見、本文を訂正、さらに注も全面改稿した。】初出は昭和一五(一九四〇)年七月号『中央公論』。底本解題によれば初出の目次のタイトルは「喪のある風景」とある。なお、この詩は戦後も『琉球新報』などに再録されるが、特に目を引くのは昭和三三(一九五八)年四月文理書院刊の「道徳―高校生の生きかた2―」というおぞましい(と私は感ずる)本にも収録されている。原書房「定本 山之口貘詩集」では最後の句点が除去されてある。]

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