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2014/06/16

飯田蛇笏 靈芝 昭和十一年(百七十八句) Ⅶ

 

雨祈る火のかぐろくて盛夏かな

 

日盛りのあごをつるして貧馬かな

 

けざやかに口あく魚籃の山女魚かな

 

秋の闇したしみ狎れて來りけり

 

榛の木に子鴉むれて秋の風

 

人肌のつめたくいとし秋の幮

 

松の風古萩の花すゞろにて

 

門閉ぢて新月楡に魂まつり

 

囚獄のうす煙りして秋の天

 

山の童の霧がくれする秋の瀧

 

蟬おちて鼻つく秋の地べたかな

 

夕空の秋雲映ゆる八重葎

 

蕉影にゐて睡むき鵞の眼が顫ふ

 

  北巨摩古戰場、一句

 

秋涼し耳塚原の通り雨

 

[やぶちゃん注:「北巨摩古戰場」「耳塚原」ともに不詳。個人サイト「城と古戦場」の山梨県城」には、谷戸城(北巨摩郡大泉村谷戸。武田氏滅亡後に徳川家康と北条氏直との覇権争いに利用される)・若神子城(北巨摩郡須玉町若神子。武田信玄が佐久進軍の際に、幾度もここに宿を置いた)・獅子吼城(北巨摩郡須玉町江草。武田信虎の甲斐統一の仕上げの山城)の三つが北巨摩郡としては載る。リンク先の各解説を読むと、獅子吼城のそれが凄絶な戦場の雰囲気を伝える。「耳塚原」も固有名詞と思われるが、検索に掛からない。用年研究家の御教授を乞うものである。]

 

晝餐の果(このみ)あまずゆき秋暑かな

 

蹴鞠す空爽かに地平暮る

 

  盧後、鮠養殖池完成

 

出ついでの傘さして佇つ雨月かな

 

  身延山、山門過ぎて直ちに仰望される高磴

  數百段、磴盡くる處白雲ゆく。

 

秋蟬に鳴かれてのぼる菩提梯

 

  九月十三日、世田ケ谷の里に病める小川千

  甕氏を訪はんと經堂驛に下車すれば、人力

  車一臺あり懇ろに莊門に導く。一句

 

花卉秋暑白猫いでて甘ゆなり

 

[やぶちゃん注:「甘ゆなり」「あまゆ」はヤ行下二段の「甘える」の古語。「なり」は終止形接続しているから推定の助動詞「なり」である。この当時、既に人力車は珍しかった。]

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