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2014/08/26

橋本多佳子句集「海彦」 青蘆原 Ⅲ

 

水底の明るさ目高みごもれり

 

吾に気づきてより翡翠の気鋒損じ

 

草深く落つ螢火の重さもて

 

滝道や小幅の水がいそぎゆく

 

螢火が過ぐとき掌中の螢もゆ

 

葭雀松をつかみて啼きつゞくる

 

[やぶちゃん注:「葭雀」は「よしすずめ」と読む。スズメ目スズメ亜目スズメ小目ウグイス上科ヨシキリ科 Acrocephalidae に属するヨシキリの仲間の総別称。夏の季語。miz8ra 氏の「よしきりのさえずり(2)」で鳴き声と映像が視聴出来る。]

 

髪乾かず遠くに蛇の衣懸る

 

[やぶちゃん注:多佳子には珍しいかなりはっきりとした鬼趣句である。「衣」は「え」で、蛇の抜け殻であろう。やや作為的確信犯だが嫌いじゃないね。]

 

日盛りの墓かげ濃しや吾を容れ

 

草静か刃をすゝめゐる草刈女(め)

 

人への愛憎午前の蟬午後の蟬

 

時計直り来たれり家を露とりまく

 (二十六年)

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