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2014/09/30

生物學講話 丘淺次郎 第十一章 雌雄の別 四 外觀の別 (4)

Kumoseitekinikei

[「くも」の一種 (大)雌 (小)雄]

[やぶちゃん注:本図は国立国会図書館蔵の原本(同図書館「近代デジタルライブラリー」内)の画像からトリミングし、補正をしたものである。]

 

 動物には種類によつて身體の大きさの目立つて違ふものも隨分ある。獸類の中でも「をつとせい」の如きは牡は牝に比して遙に大きく、身長は二倍以上、重量は殆ど十倍以上にも達する。概して獸類では雌雄で大きさの違ふ場合には、必ず雄の方が大きい。猿なども牡の方が牝よりも少く大きいのが常である。これに反して昆蟲類には、雄よりも雌の方が大きいものが多い。亭主が小さくて細君の方が大きいと、俗にこれを「のみ」の夫婦といふが、實際「のみ」に限らず「はへ」でも蚊でも雌の方が幾らか大きい。これは一つは卵巣が大きくて、そのため腹が膨れて居る故でもあらう。稻の害蟲の「うんか」なども同種のものを調べて見ると、いつも雄よりも雌の方が著しく大きい。外國に産する「くも」類の中にはその相違がさらに甚だしく、雄は僅に雌の十分の一にも及ばぬものがある。

[やぶちゃん注:「をつとせい」オットセイ(膃肭臍・英名 Fur seal )哺乳綱食肉(ネコ)目イヌ亜目鰭脚下目アシカ科オットセイ亜科 Arctocephalinae に属するキタオットセイ属 Callorhinus 及びミナミオットセイ属 Arctocephalus の総称。雄は最大、体長二・一メートル、体重一八〇キログラムに達するが,雌は一・四メートルで五十キログラム程度と有意に小さく、顕著な性的二型を示す。鬣(たてがみ)も雄にのみある。雌雄の差は成体となった六~七歳以後であっても、雄の成長が継続するためにはっきりと分かる。

『外國に産する「くも」類の中にはその相違がさらに甚だしく、雄は僅に雌の十分の一にも及ばぬものがある』ウィキ性的の「極端な体格の差」の項に、『体格の差が極端に大きく、もはや同種とは思えないほどになる例もある。特に有名なのが造網性のクモで、コガネグモ科』(節足動物門鋏角亜門クモ綱クモ目クモ亜目クモ下目コガネグモ上科コガネグモ科 Araneidae)やヒメグモ科(フツウクモ亜目ヒメグモ科 Theridiidae )など『のものでは、同じ種とは思えないほどに形も違っているものがある。日本の例では、最も差が大きいのは多分オオジョロウグモ』(Nephila pilipes 南西諸島以南に生息)で、雌は体長三五~五〇ミリメートルにもなるのが、雄は一〇ミリメートル程度にしかならない。また、コガネグモ科オヒキグモ属キジロオヒキグモ Arachnura logi では、『卵嚢から出た時点で、雄は既に成熟している。これがどのような配偶システムに繋がっているのかは定かでない(ちなみに徘徊性のクモはあまり雌雄の体格差がなく、雄は雌よりやや華奢な程度である)』とし、『それよりも差が大きい場合、雄はもはや雌に見られるような構造を持たず、はるかに簡単な仕組みだけを持つ例もある。そのようなものを矮雄(わいゆう)という。ちなみに、雌ではこの例ははない。雌は卵を産むからには、そこまで小さくはなれないということであろう』と附言してある。丘先生の出した外国産のクモの図は種同定は出来ないものの、比率を比べて見ると、この本邦産オオジョロウグモも引けを取らないことが分かる。]

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