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2014/09/09

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第十五章 日本の一と冬 モースの明治の帝都東京考現学(Ⅱ)美しい蜜柑籠/不思議な蜜柑の切り方

M473
図―473

M474

図―474

M475

図―475

 

 昨日今日市場に出ている蜜柑(みかん)は、すべて我々がタンジェリンと呼ぶ変種で、皮は非常に薄くて容易にむけ、房は殆どバラバラに散る。房が中心で出会っていないので、蜜柑のある物は皮ごしに中心を覗き見ることが出来る。大きさは英国の胡桃(くるみ)位の物から、我国の普通のオレンジ位のものに至る迄、いろいろある。小さい方には種子が無く、非常に大きいのはうまくなくて、装飾として用いられる。蜜柑を進物とする時には、竹製のすかし籠に、非常に奇麗に詰める。これ等の籠には竹の脚が三本ついており、また竹の条片は蜜柑から二フィートも上るまで延びていて、そこで二つの竹の輪によって、一緒にされる(図473)。上には常緑樹の小さな枝をのせ、緑の竹の繊美な薄板の間から蜜柑の濃い色をのぞかせた、かかる典雅な蜜柑容器を、趣深く並べた店は、誠に美しい。蜜柑を切る、面白くて、また解するに苦しむような一方法は、図474で示してある。図475はその半分を、末端から見た所で、点線は切りようを示す。皮がやわらかで、且つ離れやすいから、これをやるのはそれ程六つかしくないが、而も我国では、友人の一人が、あの皮の固いオレンジでこれをやった。

[やぶちゃん注:「タンジェリン」原文“tangerines”。底本では直下に石川氏の『〔モロッコの港市ダンジール産のもの〕』という割注が入る。「ダンジール」はタンジェ(ベルベル語 Tanja ・ポルトガル語 Tânger ・英語 Tangier )。モロッコ北部にあるジブラルタル海峡に面した港町で「タンジール」の表記も一般に行われる。ウィキマンダリンオレンジによればムクロジ目ミカン科ミカン属マンダリンオレンジ Citrus reticulata のうち、成熟した果実の果皮の表面が黄色からやや橙色のかかったものを「マンダリン」と呼び、強い橙色から赤色のものを特に「タンジェリン」と呼ぶとある。また、『マンダリンの原産地はインドのアッサム地方で、これが交雑などで変化しながら世界各地に伝播したものと考えられている。中国経由で日本に伝わったものからウンシュウミカン、一方中東を経て地中海沿岸に伝わったものから地中海マンダリンやクレメンティン(クレメンタイン、英: Clementine)、さらにモロッコからフロリダに伝わったものからダンシータンジェリンといった栽培種が発生している。タンジェリンはマンダリンよりも実が大きく味は薄いが、香りが強い』ともあり、さらに最近では普通に我々が食べる『ポンカンやデコポン(不知火)もreticulata の仲間である』とあるから、モースの言説は全くの的外れではないことが分かる。

「大きさは英国の胡桃位の物から、我国の普通のオレンジ位のものに至る迄、いろいろある。小さい方には種子が無く、非常に大きいのはうまくなくて、装飾として用いられる」「小さい」ものはミカン科キンカン属 Fortunella (但し、種がないわけではない)を、後者の「非常に大き」く「うまくなくて、装飾として用いられる」というのは正月飾り用に用いられるミカン科ミカン属ダイダイ Citrus aurantium を指していよう。

「二フィート」凡そ六十一センチメートル。

 この図474と475を初めて見た時、正直私は、エッシャーの騙し絵か、難解な位相数学の図形かと疑ったものだが、これ、よ~く考えて見ると、出来そう! ネット上にはこんな切り方を実際に写した画像はないんだけれど、今度、やってみようと思う。うまくいったら、写真、アップするね!]

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