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2014/11/01

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第十五章 日本の一と冬 女性の髷

M504

図―504

M505508

図―505[やぶちゃん注:上図の右上。]

図―506[やぶちゃん注:上図の左上。]

図―507[やぶちゃん注:上図の右下。]

図―508[やぶちゃん注:上図の左下。なお、以上の図中の数字は私が新たに附したもので底本のものを安易に流用したものではない。]

M509

図―509

M510511

図―510[やぶちゃん注:上図の右。]

図―511[やぶちゃん注:上図の左。なお、以上の図中の数字は私が新たに附したもので底本のものを安易に流用したものではない。]

M512

図―512[やぶちゃん注:もともと左右二枚で一組の図である。]

 

 図504は、あたたかい冬着を着た上流家庭の少女である。幼少時から老齢に到る迄、頭髪を結ぶ方法は、外国人にとっては興味と驚異との源泉である。子供が、彼女のこみ入った髷(まげ)を、如何にして一時間(三日間とはいうに及ばず)もそのままにして置けるかは、我々にはまるで見当もつかぬ。各種の髷を写生する機会が来た。T夫人、彼の令嬢、並に小さなⅠ嬢が、私の家族を訪問し、彼等は大人しく私に髷を写生させてくれたが、それはこの訪問のために、特に結髪したもので、従って最も完全な状態にあった。これ等の型のそれぞれには、二十乃至三十のやり方があるので、我々としては何等の相違も気付かぬだろうが、日本人はすぐそれに注意する。若い婦人連が出会って、最初するのは、これ等の各種の型を話し合うことだという。このような優雅な弓形や終日をつくるには、どうしても結髪師をやとうことが必要になる。そこで女の調髪師が家々を廻ってその仕事をするが、報酬は安い。田舎の人達は自分で結ったり、お互い結い合ったりする。結髪には植物蠟の調製物が使用され、適宜に出来上った髪は、実に艶々(つやつや)している。弓形の上品な輪に、きちんと形を取らせておく為には、固い黒縮緬(ちりめん)でつくった一種のかたを使用する。図505と図506とは、K夫人の横と後とである。後を向いた方では、髪が鋭い竜骨をなしているが、これは鯨鬚(くじらのひげ)又は鉄製の挾(はさみ)でその位置に保たれる。図507はT夫人で、前から持って来た細い辨髪(べんぱつ)には、漆の櫛が横にさしてある。図508は図507の背面で、弓形をつらぬいている、末端の四角な品は、多分硬玉と思われる石で、これは支那風を真似たのである。図509はT夫人の令嬢。図510・511はⅠ嬢で、年は十二位。花簪(かんざし)を示し、環の内側には赤い縮緬をくっつける。これはこの年頃の少女には、非常に一般的な髷である。街頭では、最も貧弱な衣服をつけた少女の髷が、実に美しく出来ているのを見受ける。四つか五つの小さな子にあってさえも、屢屢衣服(ボロボロなことさえある)よりも頭髪の方に、より多くの注意が払ってあることを示している。乱れ髪はめったに見ぬ。これ等各様の留の形式で、日本人は階級の相違を認める。下女(図512)、田舎の娘、若い貴婦人、非常に「けばけばしいしい」とされるある形式、最後に極めて最上の階級と皇室といった具合であるが、一方、絵画や舞台では、全然変った形が見られる。

[やぶちゃん注:「結髪師」「女の調髪師」原文は前者が“a hair-dresser”で後者が“women barbers”。英和辞書によれば、“barber”は男性の調髪をする男性の理髪師を指し、女性相手の理髪師を“hairdresser”と呼ぶとある。

「植物蠟の調製物」鬢付け油。かつてここで、髪結が下げて歩く髪結道具の入った引出附きの道具箱の名称「鬢盥(びんだらい)」を教えて戴いた廣野郁夫氏のサイト「本のメモ帳」の鬢付け油は何を原料としているのかによれば、『髪を整えるとともに髪型を保持するためのもので、植物油、晒木蝋(さらしもくろう)、丁子その他複数の香料で製した純植物性の固練りの髪油で』、例えば『「伽羅の油(きゃらのあぶら)」は当時販売されていた製品の一つである。なお、鬢付け油と合わせて艶出し用の「水油」(菜種油や椿油などの液状の油の総称)も使用されていた。また、水性の「鬢水」(びんみず。後述)も使用された』とある。このページ、まっこと詳細を究める。必見!]

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