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2014/11/23

偽書「芭蕉臨終記 花屋日記」(Ⅲ) ――芭蕉の末期の病床にシンクロして――

 四日 朝、木節申さるゝにより、朝鮮人參半兩、道修町伏見尾より取、同く包香十五袋取。天氣よし。之道方より世話にて、洗濯老女をやとひ、師の御衣裝、其外連衆の衣裝をすゝぐ。園女より御菓子幷水仙を送る。支考・惟然介抱。次郎兵衞迚も手屆かね、之道とりはからひとて、舍羅・呑舟と云もの來る。按摩など承る。今日二十度餘におよぶ。度ごとに裏急後重あり。(次郎兵衞記)

 

 五日 朝、丈草・乙州・正秀きたる。天氣曇る。寒冷甚し。時候のゆゑにや、師時々惡寒の氣あり。朝、次郎兵衞天滿に詣る。晝過歸る。夜著蒲團又々五流、米壹斗、醬油二升、鹽壹升、味噌三升、薪二十束、炭二十貫目、雜紙三束なり。今日師食したまはず。湯素麵二箸なり。夜中までに五十度におよぶ。(次郎兵衞記)

 

 六日 天氣陰晴きはまらず。朝の貪食、入麪三箸。前夜終宵寢入たまはず。暫く睡眠したまふ御目さめより、去來をちかくめして、先の頃野明が方に殘し置侍りし、大井川に吟行せし句

   大堰川波にちりなし夏の月    翁

地句あまり景色過たれど、大井川の夏げしき、いひかなへたりとおもひゐたりしが、淸瀧にて

   淸瀧や波にちりこむ靑松葉    翁

と作りし。事柄は變りたれど、同巣なりと人のいはんもいかゞなれば、大ゐ川の句は捨はべらんと汝に申たり。しかるに頃日園女に招れて

   白菊の目に立てゝ見る塵もなし  翁

と吟じたり。是又同案に似て、句の道筋おなじ。それ故前の二句を一向に捨はべりて、白菊の句を殘しおき侍らんとおもふ也。汝の意いかん。去來泪をうかべ、名匠のかく名を惜み、道を重じたまふ有がたさよ。絶句一章に、さまで千辛萬苦したまふ御病腦の中の御骨折、風雅の深情こそ尊とけれ。眼あるもの何者か、此句を同案・同集と見るべき。恐ながら此句を同案・同巣などと申ものは、無眼人と申ものなり。其ゆゑは、此句々景情別々備りて、句意を見る時は、三句ともに別なり。かるがゆゑに、我は句の意を目に見て、句の姿を見ず。青苔日シテ無塵。これはこれ陰者の高儀をほめたる語、今は園女がいまだ若くして、陌上桑の調(ミサホ)あるをほめたまひたる吟なり。意も妙なり、語も妙なり。世人此句を見るもの、園が淸節をしらん。波に塵なしの語は、左太仲が必シモ一ㇾ竹山水ニモ有淸音いへる絶唱もおもはれ、園が二夫にまみえざる貞潔と、大井・淸瀧の絶景と、二句の間相たゝかつて、感じてもあまりありと申せしかば、師も機嫌よくおはしけり。(去來記)

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