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2015/03/31

耳嚢 巻之十 水病又妙法の事

 水病又妙法の事

 

 ひへをいりて粉にいたし、麥こがしの如く砂糖を調(てう)じ用(もちゐ)るに、浮腫の症に宜(よろしき)由。桑原某、年々足腫れて難儀の處、人の教(をしへ)にまかせこれを用ひしに、當年は甚だ少(すくな)き由、桑原かたりぬ。

 

□やぶちゃん注

○前項連関:浮腫(むくみ)民間治療薬三連発。

・「ひへ」稗。単子葉植物綱イネ目イネ科キビ亜科キビ連ヒエ Echinochloa esculenta 。表記は「ひえ」が正しい。

・「麥こがし」大麦を炒って粉に挽いたもの。砂糖を混ぜて水で練って食べたり、菓子の原料にしたりする。はったい粉。香煎(こうせん)。

・「桑原某」不詳。「耳嚢 巻之二 吉比津宮釜鳴の事」の注で示した通り、根岸鎮衛の妻は桑原盛利の娘であるから、これは姻族の一人なのかも知れない。

 

■やぶちゃん現代語訳

 

 むくみについての別のまた妙法の事

 

 稗(ひえ)を煎って粉に致し、麦焦がしの如く、砂糖を加えてよく練り、それを患部に塗付すると、これ、浮腫(むくみ)の症状によろしいとのこと。

 桑原某(なにがし)、毎年、足が腫れて難儀を致いて御座ったところ、人が教え呉れたに任せて、これを用いてみたところが、今年ははなはだ、むくみ、これ、少ないと桑原自身の語っておった。

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