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2015/05/17

尾形龜之助 「無形國へ」 心朽窩主人・矢口七十七中文訳

 

    無形國へ

 

         尾形龜之助

 

 降りつゞいた雨があがると、晴れるよりは他にはしかたがないので晴れました。春らしい風が吹いて、明るい陽ざしが一日中緣側にあたつた。私は不飮不食に依る自殺の正しさ、餓死に就て考へこんでしまつてゐた。

 (最も小額の費用で生活して、それ以上に勞役せぬこと――。このことは、正しくないと君の言ふ現在の社會は、君が餘分に費ひやした勞力がそのまゝ君達から彼等と稱ばれる者のためになることにもあてはまる筈だ。日給を二三圓も取つてゐる獨身者が、三度の飯がやつとだなどと思ひこまぬがいゝ。そのためには過飮過食を思想的にも避けることだ。そしてだんだんには一日二食以下ですませ得れば、この方法のため働く人のないための人不足などからの賃銀高は一週二三日の勞役で一週間の出費にさへ十分になるだらう。世の中の景氣だつて、むだをする人が多いからの景氣、さうでないからの不景氣などは笑つてやるがいゝのだ。君がむだのある出費をするために景氣がよい方がいゝなどと思ふことは、その足もとから彼等に利用されることだけでしかないではないか。働かなければ食へないなどとそんなことばかり言つてゐる石頭があつたら、その男の前で「それはこのことか」と餓死をしてしまつてみせることもよいではないか。又、絹糸が安くて百姓が困ると言つても、なければないですむ絹糸などにかゝり合ふからなのだ。第三者の需要に左右されるやうなことから手を離すがいゝ、勿論、賃金の增加などで何時ものやうにだまされて「圓滿解決」などのやうなことはせぬことだ。貯金などのある人は皆全部返してもらつて、あるうちは寢食ひときめこむことだ。金利などといふことにひつかゝらぬことだ。「××世界」や「××之友」などのやうに「三十圓收入」に病氣や不時のための貯金は全く不要だ。細かいことは書きゝれぬが、やがて諸君は国勢減退などといふことを耳にして、きつと何だかお可笑しくなつて苦笑するだらう。くどくどとなつたが、私の考へこんでゐたのは餓死に就てなのだ。餓死自殺を少しでも早くすることではなく出來得ることなのだ。

 

 

[心朽窩主人注:太字「する」は原詩では傍点「ヽ」。中文訳では無視した。第二段落冒頭にある丸括弧「(」の終り(「)」)は存在しない。同じく中文訳では無視した。]

 

Mukeikokuhe

 

    往无形世界
         
 尾形之助
         
 心朽主人,矢口七十七

 

 好几天连续下的雨终于停了,那就没法儿天不晴,因此是个大晴天儿了。刮了春天应该刮的春风,明亮的阳光整天射进到廊子来了。我深思“不饮不食”的自杀的合理性和饿死这行为。

 用最少的经费生活下去而绝不会去劳动——。你认为这种做法现代社会里完全不对,不过这意味着你格外费出的劳力都是为了你们说的“他们”那些人的。日薪达到二三日元这么高水平的独身男人,不应该认为得过且过,为了这个目的你必须避开“过饮过食”的想法。如果人们渐渐地习惯一天吃饭两次以下的生活,由于劳力供不应求的原因产生的薪水过高的问题肯定会云消雾散,一周两三天的劳动维持得了一周的所有经费。话说景气不景气,由于浪费金钱的过多的景气,不够的不景气什么的,你不如嗤笑啊!你想一想,因为你浪费钱所以景气好,那只不过是你被“他们”利用罢了吧!如果你碰到一个人主张——不劳动者不得食——的死脑筋,你就说——是不是这个?——而当场饿死,这也是一个好主意,是不是?再说了,蚕丝太便宜老百姓面对经济困难,也可以说是管一个毕竟不必有的蚕丝那种东西而产生的现象,人们不用管会受到局外人的影响的东西,当然人们不要照常被“提薪”这句话骗而跟公司的交涉得到圆满成功,有存款的人应该提全款而靠寝食,听到利息这个词时千万不要受骗。《某某世界》,《某某之友》等刊物说得不对,对于“收入三十日元”的人绝对不需要为预测不了的病或万一的经济准备。我在这儿写不完细节,不过将来你们会听到“国力衰退”这句话时一定不得不露出苦笑。我遗憾的是上面啰嗦地解释,可是我深思的就是饿死,想说的不是应该尽早饿死而是我们做得到饿死。

 

 


         
矢口七十七/

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