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2015/07/09

生物學講話 丘淺次郎 第十二章 戀愛(14) 五 縁組(Ⅱ) 気管開嘴虫

Kikankaisityu

[雞の寄生蟲]

[やぶちゃん注:本図は国立国会図書館蔵の原本(同図書館「近代デジタルライブラリー」内)の画像からトリミングし、補正をしたものである。底本の図より細部が観察出来るのでこちらを採用した。]
 
 
 また雞類の氣管に寄生して一種の病氣を起す蛔蟲に似た寄生蟲があるが、この蟲は雌雄交接したまゝでい一生涯離れることがない。雌の生殖器の開く孔は腹面の中程にあり、雄の生殖器は體の後端に開いて居るから、二疋交接すると恰も丁の字の如くになる。しかも交接したまゝで離れることがないから雌雄の體は相接觸する處で癒著して、強ひてこれを離さうとすればその部が破れる。この蟲は雌の産卵する孔が雄のために塞がれて居るから、卵を産むことができず、卵は雌の體内で發育し、後に親の體を破つて自分で生まれ出るのである。片山病の寄生蟲に比して、この蟲の方が雌雄の關係がさらに親密である。

[やぶちゃん注:ここに記された寄生虫については鳥類の寄生虫ということで、邦文のネット記載が乏しく、同定にやや手間取った。知られたニワトリの養鶏業で嫌われる寄生虫には線形動物門双腺綱旋尾線虫亜綱回虫目盲腸虫上科ニワトリ回虫科 Ascaridia 属ニワトリカイチュウ(鶏回虫)Ascaridia galli がいるが、ウィキの「鶏回虫」の記載を見るとニワトリ・シチメンチョウ・クジャクの小腸、稀れに盲腸や胃に寄生するとあって寄生部位が合わないし、何より、標本写真を見ても、これは普通にまんまの回虫であって丘先生の示されるような特異な形状で♂♀など合体したものが一つも見当たらない。そこで、獣医学のニワトリの寄生虫病及び養鶏関係の専門論文等を片っ端からダウンロードして縦覧したところ、「気管開嘴虫(きかんかいしちゅう)」という寄生虫名に目が止まった。獣医学辞典の引用記載を、とある頁で発見、そこには『開嘴虫科に属する線虫で、水禽以外の鳥類、特に鶉鶏目と燕雀目の気管に寄生し、鶏、七面鳥、キジ、ホロホロ鳥などにみられる。虫体は気管または気管支粘膜に鉤着し、肉芽性炎症、気管の閉塞や狭窄、気管支肺炎などを起こし、幼雛での死亡率が高い』とあった。そこで、今度はこの「気管開嘴虫 学名」で検索をかけて見たところ、数少ないヒットの中に遂に「Syngamus trachea」という学名を見出した。そこで次に、これが本記載の当該種であるかどうかを確かめるためにグーグル画像検索Syngamus tracheaをかけてみたところ、ドンピシャリ! 丘先生が「二疋交接すると恰も丁の字の如くになる」と言う、挿絵にある図とクリソツな画像が原色で強烈に並んだ!(気管解剖カラー写真も含まれているので相当に激烈であるから、リンクのクリックはくれぐれも自己責任で!) 後は国立遺伝学研究所学名検索ウィキ線形動物によってこれが、

線形動物門 Nematoda 双腺綱 Secernentea 桿線虫亜綱 Rhabditia エンチュウ(円虫)目 Strongylida Syngamidae Syngamus 属キカンカイシチュウ(気管開嘴虫) Syngamus trachea

であることを突き止め得た(以上は上位をタクソンはウィキ線形動物の旧来の分類で示した。分子系統解析によって再編されている暫定的なものはウィキ線形動物を参照されたい。国立遺伝学研究所の学名検索とは一部に異同が見られるが、恐らくは分類再編の関係と思われる、因みに、声を大にして言いたいが、アカデミズム絶対信望の輩が鼻でせせら笑って馬鹿にするウィキだがね、国立遺伝学研究所学名検索をあんた、見て御覧な! それぞれのタクソンの後ろには、ほれ! 英文の当該ウィキへのリンクが張られてるんだぜ! ハッハッハ!)。英語では“Gapeworm”(ゲィプワーム)という。“gape”には英和辞典でちゃんと「開嘴虫症」という意味が載っていたが、この単語はこれ、もともとが「口をぽかんと開ける」という動詞で、この寄生虫症によって鶏が嘴(くちばし)を開けて死ぬことに由来するとある(!)。英文ウィキ“Gapeworm”をリンクしておく(これも解剖写真が附されているので自己責任)。抵抗なく見られる確かなSyngamus trachea の模式図としてロシア語サイトをリンクさせておこう。どうです? 間違いないでしょう?]

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