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2015/09/03

橋本多佳子句集「命終」 昭和三十六年(1) 崖(1)

 

 昭和三十六年

 

 崖

 

臥す顔にちかぢか崖の霜の牙

 

今日も臥す立ちはだかりて枯れし崖

 

綿虫の綿の芯まで日が熱し

 

[やぶちゃん注:「綿虫」既注。]

 

冬日浴足の爪先より焼きて

 

髪洗ひ生き得たる身がしづくする

 

臥す平らつづき寒肥の穴ぽつかり

 

霜を踏み試歩の鼻緒をくひこます

 

枕辺に揚げざる凧と突かざる羽子

 

われとあり天を知らざるわが凧よ

 

凧・独楽・羽子寄りあふわれと遊ばずば

 

独楽とあそぶ壁に大きな影おいて

 

厚氷金魚をとぢて生かしめて

 

もがり笛枕くぐりて遁げ去りぬ

 

[やぶちゃん注:「もがり笛」既注。]

 

垂直に崖下る猫恋果し

 

[やぶちゃん注:晩年の多佳子の句の内でも特に私の偏愛する一句。]

 

崖下に臥て急雪にめをつぶる

 

養身や目鼻にからむ飯(めし)のゆげ

 

枯田圃日風雨風吹きまくり

 

   回想

 

話しゆく体温の息万燈会

 

万燈の誘ひ佳き道岐れをり

 

鬼の闇一文字深く溝の黒

 

[やぶちゃん注:「万燈会」「万燈」万灯会(「まんどうゑ(まんどうえ)」と正確には濁るのが正しいようである)は東大寺・薬師寺・高野山のそれが有名であるが、これは単なる思い付き乍ら、この三年前の昭和三三(一九五八)年二月三日誓子と一緒奈良春日神社の万燈籠を見の「回想」ではあるまいか? 但し、春日神社のそれは通常は「万燈籠」と呼ぶ。]

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