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2015/10/17

小泉八雲 落合貞三郎訳 「知られぬ日本の面影」 第十五章 狐 (一四)

       一四

 

 三十年ほど前のこと、松江に鳶川といふ力士上がりの男がゐた。大の狐嫌いで、遠慮會釋もなく狐を狩り立てて殺した。非常な腕力家だから、大丈夫狐の怪力には罹らぬものと、一般から思はれてゐた。しかし彼は當り前の死にやうはしまいと、預言する老人達もあつた。この預言は當たつた。鳶川は餘程不思議な死にやうをした。彼は極めて惡るじやれが好きであつた。ある日、彼は翼や鍵爪や長い鼻のある天狗に變裝して、樂山(らくざん)に近い神聖なる森の中にある高い樹に登つた。暫くすると、無邪氣な百姓共が、そこへ蝟集してきて、いろいろの品物を献げて彼を拜んだ。彼は此光景を見おろして、面白がり乍ら、天晴れ天狗の腕前を示さうと思つて、枝から枝へと、輕快に飛んで行かうとする際、足場を踏み損ひ、落ちて、頸の關節が外づれて死んだ。

 

[やぶちゃん注:「鳶川といふ力士上がりの男」不詳。

「惡るじやれ」「わるじやれ」調子に乗って過度に人に「戯(じゃ)れる」(ふざける・戯(たわむ)れる。原文は“practical jokes”で、事実上の悪戯、所謂、悪ふざけの意である。

「樂山」「らくざん」と読む。松江市西川津町字楽山。既出のハーンが好きだった推恵神社があり、旧松江藩主の別荘地でもあった。現在は楽山公園となっている。楽山焼でも知られる(但し、現行の窯元は創始された頃とは異なっている)。]

 

 

Sec. 14

Some thirty years ago there lived in Matsue an ex-wrestler named Tobikawa, who was a relentless enemy of foxes and used to hunt and kill them. He was popularly believed to enjoy immunity from bewitchment because of his immense strength; but there were some old folks who predicted that he would not die a natural death. This prediction was fulfilled:

Tobikawa died in a very curious manner. He was excessively fond of practical jokes. One day he disguised himself as a Tengu, or sacred goblin, with wings and claws and long nose, and ascended a lofty tree in a sacred grove near Rakusan, whither, after a little while, the innocent peasants thronged to worship him with offerings. While diverting himself with this spectacle, and trying to play his part by springing nimbly from one branch to another, he missed his footing and broke his neck in the fall.

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