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2015/11/21

橋本多佳子 生前句集及び遺稿句集「命終」未収録作品(37) 昭和三十七(一九六二)年 十六句

 昭和三十七(一九六二)年

 

着ぶくれておのれを珠のごともてなす

 

   三日来訪の風彦さんに独楽習ふ

 

独楽習ふかたくな独楽に紐まきては

 

[やぶちゃん注:「風彦」俳人丘本風彦(おかもとかざひこ)。後に平畑静塔の後を次いで『天狼』編集人となっている人物である。但し、年譜には「三日」ではなく、『元旦』とあり、句集「命終」にも、

 

   元旦、丘本風彦氏来訪。独楽を習ふ。

 頭をふつておのれ止らぬ勢ひ独楽

 何の躊躇独楽に紐まき投げんとして

 掌にまはる独楽の喜悦が身に伝ふ

 掌に立ちて独楽の鉄芯吾(あ)をくすぐる

 

と前書する句が並ぶ。不審である。]

 

石段をきざみのぼりて泉あり

 

泉深く尼が十指のかくれなし

 

日輪が深く全し沼萠ゆる

 

つくしんぼぞくぞく泣きたければ泣く

 

桜日日夜は寝昼覚め生残る

 

[やぶちゃん注:「さくら/ひび//よはね/ひるさめ//いきのこる」と訓じておく。個人的に好きな句である。]

 

桜花にて昼灯つつむ死が過ぎて

 

生き残り万来の桜身に重く

 

死に遭ひしあとの重ね着桜の夜々

 

吾も仔猫捨てたりき戦時なりき

 

びしよびしよと雨雀ども巣をつくる

 

盲眼にこの鵜篝の炎えゐるか

 

盲眼を瞠る鵜篝過ぐるとき

 

鵜の声すその方へ手を盲鵜匠

 

[やぶちゃん注:この前年の底本年譜(昭和三六(一九六一)年の七月の条)に、『岐阜長良川河畔の鵜匠山下幹司邸の前庭に、誓子との師弟句碑立つ。両句共に、三十一年七月、鵜舟に乗った時の句。

 

  鵜篝の早瀬を過ぐる大炎上 誓子

  早瀬過ぐ鵜飼のもつれもつれるまま 多佳子

 

除幕式に、誓子、波津子、多佳子、かけい、双々子、薫ら出席。また、東京より三人の娘と三野明彦、武彦。奈良より美代子、稔』とある。山下幹司は既注。この「盲眼」の鵜匠「盲鵜匠」とはこの山下氏を指している。時に誓子満五十九、多佳子満六十二であった。

 

露の中われは青虫殺し殺し

 

[やぶちゃん注:以上、『七曜』掲載分。多佳子、六十三歳。]

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