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2015/12/28

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第二十六章 鷹狩その他 (2) 鷹狩その二

 しばらく番小舎で待っていると鈴が鳴り、我々は遊域へ行くのだといわれた。我々の後から一人の鷹匠が、美事な、ほっそりした隼(はやぶさ)を左手に支えてやって来た。鳥はいささかも恐怖のさまを見せず、黄色で黒い瞳の眼を輝かし、非常にまっすぐに、期待するところあるらしく立っていた。我々が入って行った場所には、両側に高い土手を持つ狭い通路がいくつか切り込んであり、土手の上には竹が密生している。我々は一方が竹の林、他方が同様な竹を上にのせた土手の間に、いくつかの入口のある、長い、ひらいた場所へ入った。これ等の竹の林や縁は、人を野鴨からかくして、それが吃驚(びっくり)するのを防ぐようにしたのであるが、日本の野生の鳥は、如何なる種類の隠蔽物をも必要としない位よく人に馴れている。

[やぶちゃん注:「野鴨」ウィキカモによれば、野生のカモ目カモ亜目カモ科 Anatidae に属する鳥類の中でも、雁(カモ科マガン属マガン Anser albifrons などのカモ科の中型種)『に比べて体が小さく、首があまり長くなく、冬羽(繁殖羽)では雄と雌で色彩が異なるものをいう。カルガモのようにほとんど差がないものもある。分類学上のまとまった群ではない』とあるが、一応、マガモ属 Anas に属する野生種を概ね称していると考えてよいようではある(マガモ属のタイプ種はマガモ Anas platyrhynchos)。]
 
 

M740

740
 
 

M741

741

 

 だが、先ず主要な沼と、この沼から来ている鴨をおびき込んで、そこから彼等がとび立つ時、場合に応じて変な形の網や鷹でそれを捕える運河とについて語らねばならぬ。鴨が必ず下降する、相当な大きさの池を選ぶなり、人工的につくるなりする。これを密生した竹叢で、ぐるりと取りまき、何人なりとも、たった二人が入れる丈の大きさの小舎に通ずる狭い路以外を通って、そこに近づくことは許されない。この小舎には小さな穴が二つあいていて、そこから池が見える。竹の密林によって、ぎっしり取りかこまれた平穏な水面を、チラリと見、何百という小さな太った鴨の背中に太陽が照り輝き、鴨のあるものは泳ぎ廻り、他のものは日陰にある薄い氷の上で休み、池の真中の小島では大きな鷺(さぎ)が、安心しきって長閑(のどか)に一本脚で立っているのを見た時は、面白いなと思った。所々他の辺に黒く陰になっているのは、そこに鴨をおびき入れる運河である。図740は池と見張所と、池から入っている三本の運河とを示し、図741は運河の断面図である。これ等の運河は、幅は三フィート、あるいはそれ以上で、深さ四、五フィート、運河の両側は一フィート半ばかりの低い土手になり、それから十五フィートほどの空地を置いて高い土手になること、切断面図に示す如くである。この高い土手には竹が密生している。運河にはとびもしなければ、鷹を恐れもしない、馴れた鴨が飼ってある。それ等は屢々餌を貰うから、大きい池へ出て行かぬ。野生の鴨は、然しながら、運河に入って来るので、その末端にある見張所の小さな穴から見ていると、野鴨が入って来たかどうかが判る。

[やぶちゃん注:「見張所」原文“the lookout”。図740に手書きで記されてある。

「三フィート」九十一・四四センチメートル。

「四、五フィート」一・三~一・五三メートル。

「一フィート半」四十五・七二センチメートル。

「十五フィート」四・五七メートル。]

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