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2015/12/08

小泉八雲 落合貞三郎他訳 「知られぬ日本の面影」 第二十三章 伯耆から隱岐ヘ (二十八)

       二八

 

 佛教には西洋人の信仰には全く無いところの不思議にも美くしい或る慰藉がある。

 その初めての子を亡(な)くする年若い母親は、死んだその夜からして、その子が歸つて來る事を――夢だけにでは無く、再び人間に身を現(げん)じて戻つて來る事を――少くとも祈り得るのである。斯く祈りながら、その死んだいとし子の名の初めの一と文字を、その小さな死骸の手の裡に書くのである。

 幾月か經つて女はまた母親になる。急いでその赤ん坊の花と柔かな手を檢べて見る。果して!だ。自分が書いたと同じ文字がそれに――その柔かな掌に薔薇と美しい母斑となつて――在る。そして戻つて來た魂が、生れた計りのその子の眼で、過ぎし昔の日のやうな眼附をして、母親を見る。

 

 

ⅩⅩⅧ.

   There are in Buddhism certain weirdly beautiful consolations unknown toWestern faith.

   The young mother who loses her first child may at least pray that it will come back to her out of the night of death,— not in dreams only, but through reincarnation. And so praying, she writes within the hand of the little corpse the first ideograph of her lost darling's name.

   Months pass; she again becomes a mother. Eagerly she examines the flower-soft hand of the infant. And lo! the self-same ideograph is there,— a rosy birth-mark on the tender palm; and the Soul returned looks out upon her through the eyes of the newly-born with the gaze of other days.

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