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2016/03/21

眞人間殺しと餅食ふ月夜哉   原民喜

  眞人間殺しと餅食ふ月夜哉

          ストダダイ 糸川旅夫

 

 イトカワ、タビヲ、急に急にかう書いて僕涙が出た。一滴二滴三滴、數へて見らら三滴の涙、あゝしかし、僕糸川旅夫はもうこの懷しい日本とも別れねばならぬ時が來た。來年の五月には巴里に行くのだ。數へて見ればもう二ケ年と日本には居られないと思ふと妾は悲し喃。それに近頃僕の人氣つたらない。東京に再來してからでも一人弟子が出來た。築地三郎君だ。その童謠を次に推薦するからほめてやれ。ダダイズムも日本全國の思想界に大きな影を落した。もう二年で僕の仕事もすむ。すると我故郷のフランスに歸るのだ。思へば今夜は無量の感慨がある。どうか笛をふいておくんなはれ。ありきしよヨ。

 

[やぶちゃん注:「ストダダイ」はママ。大正一四(一九二五)年二月十五日発行『藝備日々新聞』に発表。当時、満十九歳、慶応大学文学部予科二年で芝区三田四国町(しこくまち)(現在の港区芝)に下宿しており、言わずもがな乍ら、およそ渡仏など出来よう金も状況もなかった。

「喃」「のう」と訓じていよう。

「築地三郎」不詳。識者の御教授を乞う。

「ありきしよヨ」前にも出たが、やはり無意味な語ではないようだ。引き続いて方言などで御存じの方、よろしく御教授あれかし。]

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