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2016/03/30

和漢三才圖會卷第五十二 蟲部 蟲の用 / 卵生類 目録

    蟲之用

蚑行【和名波布】蟲之行也 蠢【無久女久】蟲之動※1也 螫【音釋】蟲之

 行毒也※2蠚並同【訓佐須】蜂蠆之類能※2人也 蛻【退税兩音】

 蟲之解皮也【訓毛沼久】 蟄【須古毛留】蟲之至冬隱不出也

※3【須太久】蟲之聲也詩召南※3※3草蟲 啾喞蟲之小聲也

         古今 秋の夜の明くるもしらす鳴く虫は我こと物や悲しかるらん

凡蟲魚之牝牡者牝大牡小也鳥獸之雌雄與人同而雌

 小雄大也

[やぶちゃん字注:「※1」=「扌」+{(「揺」-「扌」-(つくり)の下半分)+(その除去した下半分に「正」を置き、二画目の縦画を上に突き出す)}。「※2」は「蛬」から中央右に払う一画を除去した字体。「※3」=「口」+「要」。]

 

    蟲の用

「蚑行(は)ふ」は【和名、波布。】蟲の行(あり)くなり。 「蠢(むくめ)く」は【無久女久。】蟲の動※1(うご)くなり。 「螫(さ)す」は【音、釋。】蟲の毒を行なふなり。「※2」「蠚」並びに同じ。【訓、佐須。】蜂蠆(はち)の類、能く人を※2(さ)すなり。 「蛻(もぬ)く」は【退〔(タイ)〕・税〔(ゼイ)〕、兩音。】蟲の皮を解(ぬ)ぐなり。【訓、毛沼久。】 「蟄(すごも)る」は【須古毛留。】蟲の冬に至りて隱れて出でざるなり。

「※3(すだ)く」は【須太久。】蟲の聲なり。「詩」の「召南」に『※3※3〔(えうえう)〕たる草蟲』と云へり。 「啾喞〔(しうしつ)〕」は蟲の小さき聲なり。

         「古今」 秋の夜の明くるもしらず鳴く虫は我ごと物や悲しかるらん

凡そ蟲魚の牝牡(めすおす)は、牝、大きく、牡、小さし。鳥獸の雌雄は人と同じにして、雌、小さく、雄、大なり。

[やぶちゃん字注:「※1」=「扌」+{(「揺」-「扌」-(つくり)の下半分)+(その除去した下半分に「正」を置き、二画目の縦画を上に突き出す)}。「※2」は「蛬」から中央右に払う一画を除去した字体。「※3」=「口」+「要」。]

 

[やぶちゃん注:この「用」は各部の特徴・機能とか生物個体の生態といったような意味合いのパートと考えればよいと私は思っている。

・「蚑行(は)ふ」「蚑行」の二字で「は」。這(は)ふ(這う)、匍匐(ほふく)するの意。

・「蠢(むくめ)く」は「むぐめく」とも読める(東洋文庫は「むぐめく」とするが、原典には濁音はない)。カ行四段活用動詞で、蠢(うごめ)く・むくむくと動くの意。

・「動※1(うご)く」(「※1」=「扌」+{(「揺」-「扌」-(つくり)の下半分)+(その除去した下半分に「正」を置き、二画目の縦画を上に突き出す)})は「動※1」の二字に「うご」がルビされている。

・「毒を行なふ」毒を注入する。

・「※2」(「※2」=「蛬」から中央右に払う一画を除去した字体)も「蠚」も「さす」の意であるから、ここは面倒なので「さす」と訓じておく(「※2」の音は不詳。「蠚」の音は「カク・チャク・セキ・シャク」)。

・「蜂蠆(はち)」「蜂蠆」二字に「はち」とルビする。本来は、これで「ホウタイ」と音読みして、蜂と蠍(さそり)のことで転じて、小さくても恐ろしいものの喩えとして使われる熟語である。

・「蛻(もぬ)く」はカ行下二段活用動詞で、現代語ではカ行下一段に転じて「もぬける(蛻ける)」で、「抜けて外に出る・脱する・抜ける」で、所謂、蟬や蛇などが「脱皮する」の謂い。

・「蟄(すごも)る」は冬眠のために「巣籠(すごも)る」の意。

・「※3(すだ)く」(「※3」=「口」+「要」)は漢字では「集(すだ)く」と書く。虫が多く集まって鳴くの意。「※3」は本当は「喓」が正しい。

・『「詩」の「召南」』は「詩経」の「国風」の「召南」(国名)の詩篇「草蟲」の冒頭の句。この歌は、遠い地に仕事で行った夫を待ちわびる妻の心情を草摘み唄にした、実は恋歌(悲傷歌)である。

・「※3※3〔(えうえう)〕たる草蟲」「喓喓(えうえう)」は虫の声の擬声語(オノマトペイア)。

・「啾喞〔(しうしつ)〕」「しうしよく(しゅうしょく)」と読んでもよい。①小さな声を出す(この場合の「喞」はひそひそとした声を指す)。②沢山の声が交り合って騒がしいさま(この場合の「喞」は、頻りに耳にいらつく小五月蠅い声の意)。ここは①。

・「古今」「古今和歌集」。以下の一首は「卷第四 秋歌上」に載る三十六歌仙の一人、藤原敏行(?~延喜七(九〇七)年又或いは延喜元(九〇一)年とも)の歌(第一九七番歌)。

・「秋の夜の明くるもしらず鳴く虫は我ごと物や悲しかるらん」詞書があり、『是貞親王家(これさだのみこのいへの)歌合(うたあはせ)の歌』とある。これは岩波の新日本古典文学大系「古今和歌集」(小島・新井校注)注によれば、寛平五(八九三)年九月以前の歌合せであることが判っている。以下、通釈しておく。

――秋の長いはずの夜(よ)がほの白く明けてゆくのも知らずに……ただただ淋しく鳴き続けている虫よ……お前も私と同じごと……何かしらん、もの哀しい「ある」思いでも、これ、持っているのかい?――]

 

 

 

[やぶちゃん注:以下、「卵生類」の前後に縦罫。目録は底本では三段で(一行ずつ上から下、次行へ、の順であるが、一段で示した。一部を濁音化して示した。各虫の同定は各項で行う。原典の目次内容の漢字は実際には総て、「卵生類」と同ポイントの大きさである。]

 

    卵生類

 

蜂(はち)

蜜(みつ)

蜜蠟(みつろう)

[やぶちゃん字注:「らう」はママ。]

土蜂(ゆするばち)

木蜂(みかばち)

大黃蜂(やまばち)【胡蜂】

露蜂房(はちのす)

赤翅那智(あかばち)

蠮螉(こしぼそ)【じがばち】

竹蜂(たけばち)

五倍子(ふし)【百藥煎】

阿仙藥(あせんやく)

螳蜋(かまきり)

桑螵蛸(おほじがふぐり)

雀甕(すゞめのたご)

(いらむし)

嘿(けむし)

蠶【白殭蚕(びやつきやうさん) 原蚕(なつご) 繭(まゆ)】

雪蠶(せつさん)【水蚕 石蚕 海蚕】

枸杞蟲(くこのむし)

青蚨(せいふう)

蝶(てふ)

燈蛾(ひとりむし)

鳳蝶(あげはてふ)

蜻蛉(とんぼう)【やんま 遊絲(かげろう)】

[やぶちゃん字注:「かげろう」はママ。]

水蠆(たいこむし)

樗雞(うちすゞめ)

棗貓(なつめむし)

斑貓(はんめう)

莞青(げんせい)

葛上亭長(くずのはむし)

地膽(にはつゝ)

蜘蛛(くも)

絡新婦(ぢよろうぐも)

草蜘蛛(くさぐも)

蠨蛸(あしたかぐも)

蟷(つちぐも)

壁錢(ひらたぐも)

蠅虎(はへとりぐも)【さそり】

[やぶちゃん字注:「【さそり】」はママ。次の項の衍字であろう。]

全蠍(ぜんかつ)【さそり】

蛭(ひる)

蟻(あり)

(いひあり)

螱(はあり)

青腰蟲(あをむし)

蛆(うじ)

蠅(はへ)

狗蠅(いぬばへ)

壁蝨(だに)

蝨(しらみ)

陰蝨(つびじらみ)

牛蝨(うしのしらみ)【龍蝨(たつのしらみ)】

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