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2016/06/15

芥川龍之介「侏儒の言葉」(やぶちゃん合成完全版 附やぶちゃん注釈) 聖書

 

       聖書

 

 一人の知慧は民族の知慧に若かない。唯もう少し簡潔であれば、……

 

[やぶちゃん注:昭和二(一九二七)年七月二十四日午前二時頃、書斎から階下に降り、妻文と三人の子息が寝る部屋で床に入った芥川龍之介は、二階から持って来た聖書を読みながら、最後の眠りについた(この時、既に薬物を飲んでいたものと推定されている)。二〇〇三年翰林書房刊「芥川龍之介新辞典」の関口安義氏の「聖書」の項のコラム解説によれば、この末期の枕頭にあった聖書は明治訳聖書或いは元訳(もとやく)聖書と呼称される「舊新約聖書 HOLY BIBLE」で発行者はアメリカ人「エツチ・ダブルユー・スワールツ」(カタカナ表記)で、発行所は神奈川県横浜市山下町五十三番地の「米国聖書協会」、初版大正三(一九一四)年のものを大正五年に増刷したものの一冊であった。『この聖書は、現在、』『日本近代文学館に保管され、閲覧可能となって』おり、『巻末見返しに葛巻義敏の署名のある一文があり、「彼は新しき訳書を所持せるも、この訳の古調を愛し、――数年前にもらひたる、この訳書は、つねに彼の枕辺に在り」と記されている。芥川の』西方人」「西方人」『は、この聖書を用いて書かれたのである』とある(リンク先は私の「正續完全版」電子テクスト。甥の葛巻の記載に「数年前にもらひたる」とあるが、当時、彼は龍之介の家に同居していた)。]

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