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2016/09/05

諸國百物語卷之一 十四 雪隱のばけ物の事

      十四 雪隱(せつちん)のばけ物の事

 

 ある人、雪隱へゆきければ、うつくしき喝食(かつじき)きたりて、かの男を見てけしからずわらふ。男をどろき、いそぎ立ちかへり、かくのごとく、と、人にかたる。そのときせつちんのうちより、わかき人の聲として、からからとわらふとおもへば、くだんの男、たち所に死にけり。いろいろ藥をもちゆれども、よみがへらず。みな人、ふしんをなしける。

 

[やぶちゃん注:短章ながら――薄暗き厠(当時は屋外に別個に建てられてあった)・喝食の美童・異様なる二度の哄笑と頓死――SEの上手さがあって、勘所を摑んだ上質のショート・ホラーと言える。

「喝食(かつじき)」一般には「かつしき(かっしき)」と清音で読む方が多い。「かつ」は「唱える」の意で「しき」は「食」の唐音。原義は禅寺で食事をする際に食事の種別や進め方を僧たちに告げながら給仕する作法を指したが、後には当該の役に従事した未得度の若者や、広く、修学のために寺に預けられ、その役を務めた有髪(うはつ)の稚児(ちご)を指すようになり、さらにはその髪型から、「喝食姿」(かっしきすがた:髻(もとどり)を頭頂で結んで後ろに垂らし、肩の辺りで切り揃えた髪形。或いは、髷(まげ)を唐輪(からわ)に結んで前髪を額に垂らしたもので、主に武家の童子が元服まで結った)の略称ともなった。ここでは最後の、そうした髪型姿の童子或いは少年の姿をした物の怪の謂いである。

「けしからず」異様な感じで。はなはだしく異常な声(大きさ質ともに)で。よくない・不都合だの意もあるから、ここはさらに以下の変事の伏線として「不吉な感じで」の意も含むであろう。]

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