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2016/10/23

谷の響 二の卷 八 燕繼子を殺す

 八 燕繼子を殺す

 

 嘉永年間のよし、青森の近江屋太作と言ふ者の家に、燕巣を造りて卵を孵(かへし)しけるが、雄(をどり)は猫の爲めにとられたりき。さるに三四日經てこの雌(めとり)、他(ほか)の雄と倶に來りて雛を養ひたるが、鷇(ひな)いまだ巣立たぬうちに後の雄として又卵を孵して倶に養へり。爾して六七日も過(すぎ)つるに、先の鷇ゆゑなく巣より落ちて三箇(みつ)とも死せり。太作の老母いたく不審(いぶか)り、死したる鷇を取上げ口を開て見るに、口の中に砂石(すな)滿ちて有りしとなり。後に産し鷇は事なく成長(なりたつ)て、巣を辭(たち)したりとなり。小鳥と言へどまゝ子を憎めるは、あやしむべき事なり。

 

[やぶちゃん注:「繼子」「ままこ」。親子の関係にはあるが、血の繋がっていない子の謂いであるから、ここでこの先の雛を落して殺したのは、後の夫であった雄の燕ということになるのだが、本当にそうだろうか? ハヌマン・ラングールやライオンの子殺しのケースのように、雌自らが「後の雄とし」(この表現は実に生々しいではないか!)た後に、新しい夫に自身の誠意(というよりハヌマン・ラングールの場合は新たな統率者となった雄に、複数の雌の中でも目を掛けて貰うための追従行為として殺害する)を示すために雌の燕が落したのではあるまいか?

「嘉永年間」一八四八年から一八五四年。]

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