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2016/12/26

豹――巴里の動物園で   リルケ 茅野蕭々譯

 

 豹

  ――巴里の動物園で

           リルケ 茅野蕭々譯

 

格子(かうし)の通り過ぎる爲めに

彼の眼は疲れて、もう何にも見えない。

彼には数千の格子があるやうで、

その格子の後に世界はない。

 

しなやかに強い足なみの音もない步みは

最も小さな輪をかいて𢌞つて、

大きな意志がしびれて立つてゐる

中心を取卷く力の舞踊のやうだ。

 

唯をりをり瞳の帷が音もなく

あがる。――すると形象は入って

四肢の緊張した靜さを通つて行く――

そして心で存在を止(や)めるのだ。

 

 

[やぶちゃん注:第三連一行目の「唯」は底本では「唯」となっているが、これは後の「リルケ詩集」で踊り字が加えられたものを底本は採用しているからである。しかし「唯」では「ただただ」と読むのが尋常であるが、ここは「ただ」で読む方が遙かに達意し、「ただただ」では屋上屋で厭味である。「リルケ詩抄」の表記に従い、「唯」のみとした。「唯」で「ただ」と読むと主張する向きには全く以って不同意である。なお、「帷」は「とばり」で、瞼(まぶた)の比喩。]

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