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2017/04/19

譚海 卷之二 因州山中の民鷄を飼ひ鷄卵を鬻ぎ生計とする事

 

因州山中の民鷄を飼ひ鷄卵を鬻ぎ生計とする事

○因幡國(いなばのくに)は巖邑(いはむら)にして生穀(しやうこく)の地至(いたつ)て少(すくな)し、山中の民は、家ごとに鷄雌雄數萬を飼(かひ)てその卵をとり、大坂へ鬻(ひさぎ)て生計(たつき)とする也。鷄に飼ふに五穀を用ひず、わらこもの濕地に置(おき)、久しくして蟲生ずるをとりて、鷄を飼ふ也。

[やぶちゃん注:標題の「鬻ぎ」は「ひさぎ」。「生計」は「たつき」と訓じたい。

「因幡國」現在の鳥取県東部。

「巖邑」岩多く、肥えた土の地面の少ない村落。

「生穀の地」主食にする穀類を生産する土地。

「數萬」「萬」は原典の誤字か、或いは失礼乍ら、底本の誤植であろう。「家ごと」に数万羽は飼えぬ! 思うに「番(つがひ)」辺りではあるまいか?

「わらこもの」「藁子物」か。藁のようなもの。]

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