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2017/08/24

岩波文庫ニ我ガ名ト此ノぶろぐノ名ノ記サレシ語(コト)

先週、近代文学研究家の山田俊治氏(現・横浜市立大学名誉教授)より、自筆の御葉書を戴いた。

山田氏の名は芥川龍之介新全集の諸注解で存じていた。最近では特に、ブログでの「侏儒の言葉」のオリジナル注企画で頻繁に引用させて戴いたが、無論、終生、巷間の野人たる小生は面識もない。何か誤ったことでも私がブログで書いているのを注意されでもしたものかと思うて読んでみたところが、そこには、

『この度 芥川龍之介の紀行文集を岩波文庫から出版することになり、注解にあたっては、ブログを拝見して、大いに刺激されるとともに、一般書のため、逐次 注にできませんでしたが、大変 参考にさせていただきました。そこで、一部献本させていただきますので、御受納いただければ幸いです』

とあって、驚いた。

昨日、それが届いた。

2017年8月18日発行・山田俊治編「芥川竜之介紀行文集」(850円)
 

Aku1

 
である。中国特派の際の五本は「Ⅱ」として纏められてあるが、それ以外の「松江印象記」(リンク先は私の初出形)に始まる九本の選択も非常に面白い。注を縦覧したが、語句や表現要所が非常によく押さえられており、「Ⅱ」パートでは地図なども附されてあってお薦めである(数年前に他社の文庫でもこれらは出ていたが、本屋で立ち読みしただけで、その注のお粗末さに呆れた果てたのを覚えている)。
特に、あの時代にあって稀有のジャーナリストたらんとして――芥川龍之介は自らを「ジヤアナリスト兼詩人」(「文藝的な、餘りに文藝的な」(リンク先は私の恣意的時系列補正完全版)の「十 厭世主義」)と称し、遺稿の「西方の人」(リンク先は私の正・続完全版)ではキリストを「古い炎に新しい薪を加へるジヤアナリスト」と評している――書かれた中国特派のそれらは、もっと読まれるべきものであると私は強く感じている(芥川龍之介の「上海游記」「江南游記」「長江游記」「北京日記抄」はそれぞれブログ分割版(全)があり、それらの一括版及び「雜信一束」はHTML横書版で「心朽窩旧館 やぶちゃんの電子テクスト集:小説・戯曲・評論・随筆・短歌篇」の「芥川龍之介」パート内の「§ 芥川龍之介中国紀行関連作品 §」に収めてある)。

さて。山田氏の解説の最後を読んで、さらに驚いた。
 

Aku2


 
何と! その末尾、参照先行文献の一覧の最後の最後には、天下の岩波版「芥川龍之介全集」(新全集)がずうっと並んだその終りに……『および、藪野直史「Blog鬼火~日々の迷走」』とあるではないか!?!

私のような凡愚の野人の仕儀が、誰かの役に立つとならば、逆に、恩幸、これに過ぎたるはないと言うべきで、ここに山田俊治先生に深く謝意を表したい。
 
 

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