フォト

カテゴリー

サイト増設コンテンツ及びブログ掲載の特異点テクスト等一覧(2008年1月以降)

The Picture of Dorian Gray

  • Sans Souci
    畢竟惨めなる自身の肖像

Alice's Adventures in Wonderland

  • ふぅむ♡
    僕の三女アリスのアルバム

忘れ得ぬ人々:写真版

  • 縄文の母子像 後影
    ブログ・カテゴリの「忘れ得ぬ人々」の写真版

Exlibris Puer Eternus

  • 吾輩ハ僕ノ頗ル氣ニ入ツタ教ヘ子ノ猫デアル
    僕が立ち止まって振り向いた君のArt

SCULPTING IN TIME

  • 熊野波速玉大社牛王符
    写真帖とコレクションから

Pierre Bonnard Histoires Naturelles

  • 樹々の一家   Une famille d'arbres
    Jules Renard “Histoires Naturelles”の全挿絵 岸田国士訳本文は以下 http://yab.o.oo7.jp/haku.html

僕の視線の中のCaspar David Friedrich

  • 海辺の月の出(部分)
    1996年ドイツにて撮影

シリエトク日記写真版

  • 地の涯の岬
    2010年8月1日~5日の知床旅情(2010年8月8日~16日のブログ「シリエトク日記」他全18篇を参照されたい)

氷國絶佳瀧篇

  • Gullfoss
    2008年8月9日~18日のアイスランド瀧紀行(2008年8月19日~21日のブログ「氷國絶佳」全11篇を参照されたい)

Air de Tasmania

  • タスマニアの幸せなコバヤシチヨジ
    2007年12月23~30日 タスマニアにて (2008年1月1日及び2日のブログ「タスマニア紀行」全8篇を参照されたい)

僕の見た三丁目の夕日

  • blog-2007-7-29
    遠き日の僕の絵日記から
無料ブログはココログ

« トゥルゲニエフ作 上田敏譯 「散文詩」(抄) 山靈 | トップページ | トゥルゲニエフ作 上田敏譯 「散文詩」(抄) 老嫗 »

2017/11/01

トゥルゲニエフ作 上田敏譯 「散文詩」(抄) 祈禱

 

       祈 禱

 

 人間の祈は、ねぎごとの何なるを問はず、すべて皆奇蹟を祈るなり。 詮ずるに、なべての祈はかくの如し、大なる神よ、二二が四たること無からしめ給へ。

 かゝる祈のみこそ人格ある者より人格ある者に對する眞の祈なれ。宇宙の靈に祈り、上天に祈り、カントの、ヘエゲルの、實體無形の神に祈らむとはあり得べきことにもあらず、また考ふる能はざることなり。

 されど敢て問はむ、形あり命ある人格の神なりとも、二二が四たること無からしめ得べきか。

 然り、得べしと信者は答へざるべからず、またみづから信ぜざる可からず。

 されど理性が、人をして此不條理に反抗せしむる時はいかに。

 この時大沙翁來り助く、曰く、天地のあひだ外にくさぐさの事あり、噫ホレイシオ、しかしか。

 されど人々眞理の名によりてなほも駁し來らむには、かの高名の問を繰返すに如かず、日く眞理とは何ぞ。

 さればわれら盃をあげて樂まむ、而して祈禱せむ哉。

 

[やぶちゃん注:神西清個人訳(第一次改訳) 祈りの注も参照されたい。

「祈」「いのり」。

「ねぎごと」「祈(ね)ぎ事」「願(ね)ぎ事」。神仏に祈願する事柄。願い事。

「大沙翁」シェイクスピア。

「助く」「たすく」。助けて。

「噫」「ああ」!。

「しかしか」岩波文庫版は『しかじか』とする。採らない。

「駁し」「ばくし」。反論して。

「哉」「かな」と訓じておく。]

« トゥルゲニエフ作 上田敏譯 「散文詩」(抄) 山靈 | トップページ | トゥルゲニエフ作 上田敏譯 「散文詩」(抄) 老嫗 »