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2017/11/01

トゥルゲニエフ作 上田敏譯 「散文詩」(抄) 滿足

 

       滿 足

 

 若き人、都大路を欣び躍りつゝゆく。 步(あゆみ)も嬉しげに、眼に光、口にゑみ、揚々として瞼更に紅し。………心滿ち、望足り、樂これをこえじとみゆ。

 何事ありて、かくは樂しき。 遺産うけたるか、榮進したるか、そも戀のあひゞきか、あるは單に、すぐれたる朝げすまして、心地すこやかに、食足れる愉快、全身にみちたるか。 鳴呼、波蘭土王スタニスラス、この少年の頸に、君が美しき八稜十字の勳章かけたるにもあらざるべし。

 あらず。 かれは、その友を中傷して、醜聞を傳へぬ。 廣めありきし心盡しの甲斐ありて、今其醜聞を、他の友の口より聞きしなり。………而も…かれ自らも之を信ずるに至りぬ。

 噫、何等の滿足、この溫和なる前途多望の靑年、けふのこの日は、いかに懇ろなるべき。

 

[やぶちゃん注:「波蘭土王スタニスラス」「波蘭土王」は「ポーランドわう(おう)」と読む。スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ(Stanisław August Poniatowski 一七三二年~一七九八年)はポーランド・リトアニア共和国の最後の国王(在位:一七六四年~一七九五年)。神西清氏の訳(昭和二三(一九四八)年斎藤書店刊/第一次改訳)の註には『當時の文官勳章三種(併せて十一等)のうち、最も低いスタニスラフ勳章(これに三等ある)と』、貴族からはロシアの女帝エカチェリーナⅡ世から寵愛を受けてポーランド王にまで登り詰めた『スタニスラフ・ポニヤトーフスキイを掛けた洒落』とある。詳しくは神西清個人訳(第一次改訳) 心足らへる人の私の注を参照されたい。]

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